2003年9月25日(木)

タイで使われている国際規格の携帯電話は、日本のものに比べればかなり見劣りするが、それでも日進月歩の進化を続けている。最近では、カメラ付きの携帯電話も少しずつ普及してきているようだ。

今日はルームメイトと、アメリカから持ち込んだゴルフクラブを転売するために、ゴルフ用品店が集まる「タニヤプラザ」に行くことになった。ところが、思うようにゴルフクラブが裁けず自棄になったルームメイトは、店番の女の子たちと親しくなることに全力を注ぐようになった。

こうして僕たちは、気分転換のために MBK マーブンクローングセンターへと移動した。

タイで携帯電話が最も安く取引されているのは、マーブンクローングセンター4階・北(東急)側のフロアだ。同じフロアでも、南(パトゥムワンプリンセスホテル)側はかなり割高。

僕がいま使っているのは、今年の1月頃に買った中古の Sony Ericsson 製。本体が小さく持ち運びに便利だが、液晶が白黒なのが気に入らなかった。アメリカでもカラー液晶で和音がでる携帯が主流になってきているものだから、とりあえず割安感のあるタイで買っておくことにした。

今回購入したのは Panasonic 製 EB-G50。カラー液晶に和音& PCM 音源を搭載している。新品で7,800バーツ。最高値は9,500バーツだった。

2004年8月20日(金)

タイの GSM 携帯電話は、通信会社を限定する「シムロック」が解除された状態で売られている。そのためついつい忘れがちになってしまうが、本来であれば GSM 携帯電話にも日本と同じようなシムロックがかけられている。

日本から遊びに来ている友人が持ってきたのは、シムロックつきの Motorola(モトローラ) 製 GSM 携帯電話。 Vodafone(ボダフォン)SIM Card(シムカード) しか認識しない仕様になっているため、タイでは割高なローミングサービスを利用しなければならない。それではやってられないという話になり、 MBK マーブンクローングセンター(マーブンクロンセンター)4階でシムロックを解除した。所要時間約30分、費用300バーツだった。

ただし、シムロック解除の際には気をつけておきたいことがある。本体に記録してあるデータはすべて削除されてしまうし、タイ語プログラムが同時にインストールされてしまうため英語の表示行数も減少してしまう。1年前に買った携帯電話は、本来5行表示できるはずが3行に減らされてしまった。

2004年8月24日(火)

僕がタイ留学を始めた2年ほど前、日本では携帯通信会社第3位の J-Phone が「写メール」という新商品を開発しカメラ付き携帯が話題になっていたが、その頃、タイを含む GSM 通信規格を採用している国々ではカラー液晶を搭載している機種すら発売されていなかった。もちろん i MODE のようなパケット通信もなければ、和音着メロもなかった。

ところが GSM 規格は、携帯電話事業に参入するメーカー増えたことで、ここ数年めざましい発展と遂げてきた。それまで GSM 携帯をリードし続けてきたノキアは、ソニーエリクソンをはじめ、 Panasonic や Samsong の激しい追撃を受けており、数ヶ月前に最新モデル NOKIA 7610 を投入してシェアの回復に乗り出した。このモデルの主な特徴は、①100万画素(1152 x 864 pixels)デジタルカメラ搭載、②4倍デジタルズームが可能なビデオカメラ搭載(174 x 144 pixels)、③176 x 208ピクセルの高精細カラー液晶、④着うた、⑤ブルーストゥースやUSBなどの通信装備、⑤着信拒否機能、⑥電子手帳機能、⑦JAVAアプリなど。対応帯域幅は GSM 850/900/1800/1900 の4種類(日本では使えない)で、重量118グラム。

これまで、僕はノキア製携帯電話のデザインの悪さを嫌って敬遠し続けてきたが、今回珍しくイケてるデザインの携帯電話が発売されたことで興味を持ち、昨日の授業中にクラスメイトたちに意見を聞いて回った。

「ノキア製の携帯電話は国内でもっとも普及しているだけあって、どこでも簡単に周辺機器をそろえることができるし、故障時の修理も安くて簡単。それに、タイ語化ファームウェアも充実していて通信品質にも定評があるから無難だと思う」

これまで僕は4台もの GSM 規格の中古携帯電話を使ってきた。しかし、通信品質が著しく悪かったり、充電池が18時間しか持たなかったり、友人たちの携帯電話よりも受信状態が悪かったりと悩みがつきなかった。そこで、 MBK マーブンクローングセンター(マーブンクロンセンター)4階の携帯電話売り場へブワと行き、新品のノキア製携帯電話 NOKIA 7610 を購入した。19,600バーツだった。

友人たちの助言が正しかったかどうかは使ってみるまで分からない。

2004年9月4日(土)

賢い消費者は得をして、愚かな消費者は損をする。

激しい競争にさらされている日本の移動体通信事業者は、料金体系を複雑にして比較を困難にすることで過当競争を回避している。それに比べればタイにおける移動体通信の料金体系はかなり分かりやすいが、それでも知らなければそれだけで損をしてしまうこともある。

僕の消費者意識は本当に低い。特にコスト意識が著しく欠如している。簡単な手続きをするだけで、通話料金をタイ国内一律1分3バーツまで抑えることができたのに、それを怠ったために1分5バーツも払い続けていた。

タイの移動体通信業界における熾烈な価格競争は、加入者固定電話2位の Telecom Asia(テレコムエイジア) (現 True(トゥルー) )が市場に参入した数年前にさかのぼる。移動体通信各社はコスト意識の高い層を意識して割引料金プラン「プロモーション」を次々と打ち出すことで、客離れを防ぎ、同時に新規客の取り込みにも務めた。

僕が使っている AIS Advanced Info Service には、現在7種類の割引料金が設定されている。それぞれには長所と短所があり、僕は自分に一番合っている Freedom More というプランを選択した。

料金プランを選択する方法は、 AIS の場合、①1175をダイアルして、②音声自動案内終了後に各プランのコード番号(たとえば、Freedom more を選ぶのであれば 77707)を入力するだけ。手続終了後15分以内に確認の英文ショートメールが届く。音声自動案内終了後に77700を入力すれば、現在の加入プランを確認できる。

AIS の料金プラン(プロモーション)はつぎのとおり。

AIS 料金プラン

  • Freedom Friends (77701)
    「友達たくさん さみしくない 全国一律1分4バーツ」
     通話先の相手が AIS のサービスを利用している場合、タイ全国一律1分4バーツ。
  • Freedom Bounus (77702)
    「20%割引 話せば話すほど節約できる」
    午前零時から起算し、1日の合算通話料金が25バーツを超えた時点で、以降の域内通話料金が1分5バーツ→4バーツ、域外通話料金が1分8バーツ→6.4バーツ、ショートメール送信料金が3バーツ→2.4バーツになる。
  • Freedom Time (77704)
    「午後10時から午前6時まで 全国一律1分3バーツ」
    午後10時から午前6時まで、全国一律1分3バーツ。
  • Freedom Plus (77705)
    「24時間 通話可能金額が2倍になる」
    プリペイドカードの補充時に、残高が2倍になる。たとえば、300バーツ補充したとき、通常60分間のところ120分間話せるようになり、300バーツのプリペイドカードの価値が600バーツ分相当になる。(ただし、補充時に追加される「有効期限」は通常の半分程度になる; たとえば、300バーツのプリペイドカードを補充した際に、有効期限が通常30日間延長されるのに対し、このプランを使うと15日しか延長されない)
  • Freedom Everyday (77706)
    「1日20バーツで十分」
    40バーツからチャージできる。このプランの通話料は通常料金、追加される有効期限は補充額の如何に関わらず1回2日間(最大7日間まで蓄えられる)。
  • Freedom More (77707)
    「国内全通信会社一律1分3バーツ」
    通話相手がどの事業者のサービスを利用していても、国内一律1分3バーツ、ショートメール送信2バーツ。(ただし、補充時に追加される「有効期限」は通常の3分の2程度になる; たとえば、300バーツのプリペイドカードを補充する場合、通常であれば有効期限が30日間延長されるが、このプランでは20日しか延長されない。また、プラン変更時の有効期限の蓄えが20日以上ある場合には、合計20日と見なされ、それ以上の有効期限がカットされる。通常なら最大有効日数は360日間だが、このプランでは180日間まで。)
  • Freedom Buddy (77703)
    「仲良しとの通話 全国一律1分3バーツ」
    Buddy Mumber に登録した6つの通話先に対して、通話相手がどの会社の通信サービスを利用していても、国内一律1分3バーツになる。

ちなみに、加入者固定電話回線から県外へかける際には [1234 + 県番号] (約半額になる)、国外へは [007+国番号](1分9バーツ)、携帯電話から国外へは [009+国番号] (1分9バーツ)とダイヤルすれば、通常よりも通話料を節約できる。

昼、サヤームセンター(サイアムセンター)1階の珈琲屋 UCC で日本のレストランの味と同じカツカレー(ただしタイ米)をブワと食べてから、ウィッタユ通り(ワイヤレス通り)にある日系カラオケ屋 Big Echo(ビッグエコー) でカラオケを歌った。

2005年7月7日(木)

「これは携帯電話というより、むしろデジカメよね? 私も今のを売って新しいのを買おうかしら」

NOKIA(ノキア) 7610は、処理速度が遅く、内部ソフトウェアにバグがある。それに、内臓カメラの撮影品質の悪さは耐え難い。留学終了まで残りわずかだが、思い切って Sony Ericsson(ソニーエリクソン)製 K750 を購入した。

Sony Ericsson K750
 
対応ネットワーク: GSM 900, GSM 1800, GSM 1900 / 重量: 99g / TFT 液晶26万色 176×220 ピクセル / Memory Stick Duo Pro 64M 付属 / データ転送速度: 32-48 kbps / オートフォーカス機能搭載内蔵カメラ200万画素(1632×1224ピクセル) / ハンズフリー用イヤホン付属 (FM ラジオ, MP3 視聴可) / 多国語入力支援辞書 T9 搭載でタイ語メールの綴り間違いを防げる / そのた日本の携帯電話に搭載されているような機能

これまで NOKIA(ノキア) は、タイ語入力デバイスの性能が他社を圧倒していたため絶大な支持を得てきた。ところが、この数年で他社製携帯電話のタイ語入力デバイスが NOKIA(ノキア) より便利になったことから、タイにおけるシェアを徐々に落としている。

タイでは個人の可処分所得に何倍もの格差がある。そのため、携帯電話は持ち主の階級社会力(社会的地位, 経済力, 教育的バックグラウンド)を印象付けるための重要なツールとなる。ちなみに、友人たちの携帯電話は、月間可処分所得のおおむね0.8-1.5倍。極端な階級社会であるタイにおいて、不本意な待遇を受けないようにするためにも、携帯電話は常に最新モデルにしておきたい。

昼、 MBK マーブンクローングセンター(マーブンクロンセンター)4階の携帯電話売り場で、 NOKIA 7610を9,500バーツで売却し、 Sony Ericson K750 を15,000バーツで購入した。ついでに Memory Stick Pro Duo 512M を2,800バーツで購入。6階のバーペキュー屋で夕食をとり、プララームヌング(ラマ1世通り)の大型スーパー Tesco Lotus(テスコ・ロータス) に立ち寄って、手動ウォッシュレットとトイレットペーパーを買った。

2005年8月4日(木)

「日本人のあいだで最近、日本語対応の携帯電話がメチャメチャ普及してますよ。日本人なら、もうみんな持ってるんじゃないんですか?」

夜、スィーロム(シーロム)4の日本料理屋「楓」で、日本人の友人たちと夕食をとっていたところ、店内にいる日本人客のほとんどが日本製の携帯電話を使っていることを指摘されて驚いた。

先学期の学期末小論文(タームペーパー)を書いていた今年2月頃、エーガマイ通り(エカマイ通り)にあるコンドミニアムで日本人同士で酒を酌み交わしていたところ、「 Vodafone(ボーダフォン) の海外対応携帯なら、シムロックを外すだけでタイでも使えるようになる」という話を聞いた。日本で売られている携帯電話はタイより極端に安いため、日本から携帯電話を大量に輸入して MBK マーブンクローングセンター(マーブンクロンセンター)へと持ち込み、改造(シムロックを解除, ファームウェアをタイ語化)して売りさばくことでかなりの利益を上げたという。ところが、輸入量が増えるにしたがって市場価格が下落したため、今となってはそれほどオイシイ商売でもなくなった。

同時期、タイ在住の日本人のあいだで日本製の携帯電話が爆発的に普及した。日頃から日本語だけで生活している大部分の日本人にとって、日本語のショートメールが使えるようになったことは、生活スタイルに大きな変革をもたらしたという。しかし、日頃からタイ語で生活をしている僕にとって、タイ語が使えない携帯電話ほど不便なものはないため、これまで日本製携帯電話の普及にはまったく無関心だった。

友人によると、高架電車 BTS アソーク駅から徒歩5分のところにある商業ビル Times Square(タイムズスクエア) に、日本製の携帯電話を扱っている店があり、日本語ウェブサイトの閲覧や日本語電子メールの送受信が行えるサービスを年額3,000バーツで提供しているという。

ウエブサイトの閲覧や電子メールの送受信は、日本語にこだわらなければ、標準的な契約内容で十分利用できる。

約2時間後、タニヤ通りのカラオケスナックへ友人たちと出かけた。実は普通のカラオケボックスでも構わなかったが、ゲイだらけのバンコクでいい歳をした大人が男同士でカラオケボックスに入ったら、いよいよゲイとの疑いをもたれかねない。明日のカラオケ大会のためにタイ語曲を3曲ほど練習して、午前1時に店を出た。1,100バーツだった。どうせホステスを相手にするわけでもないから、もう少し安い店を選んでも良かったかも。

ちなみに、今晩のホステスは自称「ホーガーンカータイ大学(タイ商工会議所大学)卒」だったが、大学の正門の位置を正しく言えなければ、すぐ目の前にある高等教育機関「ラーチャモンコン技術大学(ラチャモンコン技術大学)ヂャッグラポングプワナート校」についても知らなかった。日本人がタイ人偽学士を見抜くのは簡単ではないが、夜のオンナの経歴を鵜呑みにしてしまうのはあまりにも危険すぎる。

2005年8月11日(木)

「ケイイチさんの料金プランにおける GPRS 料金は、1分1バーツです」

昼、タニヤ通りにある日本料理屋「味里」でタイ旅行中の友人と昼食をとっていたところ、モバイルインターネットの話題になり、移動体通信会社 AIS Advanced Info Service のコールセンター 1175 に問い合わせた。

タイでは現在、顧客の名前を呼ぶのが流行っている。 Starbucks Coffee(スターバックスコーヒー) でも、注文を受けるときに名前を尋ね、出来上がると名前で呼び出すサービスを始めている。 One 2 Call (AISのプリペイド携帯電話サービス)のコールセンター担当者も、いつも僕の名前を必要以上に連呼しては、ものすごく明るい声で対応してくれる(でも話すスピードはネイティブの2倍速)。もちろん、ぶっきらぼうに対応されるよりはよほどマシだが、過剰なサービスを煩わしく思うこともある(今回は12日の国母生誕日に関連するサービスを紹介された)。

タイの携帯電話にも、さまざまな料金プランが設定されている。 One 2 Call の標準料金は、地域内1分5バーツ、地域外8バーツだが、利用者の大半はプロモーションと呼ばれる割引料金プランを選択している。割引料金プランは、それぞれ①通話料金、②ショートメール SMS 料金、③追加される電話番号利用日数に違いがあり、 One 2 Call なら *777 (自動音声)で変更できる。ちなみに、僕が使っているのは全国均一1分3バーツの Freedom More 。

パケット通信 GPRS にも割引料金プランが設定されており、通常1分1バーツのところ、1分0.08バーツになるプロモーションがある(プロバイダ料込み, 20時間100バーツのプロモーションを選択した場合)。 GPRS のプロモーションは、通話料金のプロモーションとは別に設定でき、 GPRS プロモーション登録専用番号 *138 (音声ガイダンス)または 1175 (AISコールセンター)から申し込める。料金は申し込みと同時に通話料金残高から差し引かれ(月の途中の場合は料金と通信時間残高が日割り)、その後は毎月1日に差し引かれる。利用可能時間残高は *139 (自動音声)で確認できる。

このほか、毎月40時間の GPRS パケット通信が無料になる One 2 Call! Net SIM もあるが、通話料が1分5バーツと割高なためお勧めできない(音声通話のプロモーションを選択できない)。

GPRS モバイルインターネットの接続方法はつぎのとおり。

①携帯電話の GPRS パケット通信を設定する(通信会社によって異なる)
②ケーブルまたは無線でパソコンと携帯電話を接続する
③パケット通信を開始する(携帯電話の説明書参照, 電話番号:*99***1#, ユーザー名:空欄, パスワード:空欄)

ちなみに、携帯電話から日本への通話料金はつぎのとおり。

001 (International Call) 30バーツ/分
008 (International Call) 7.49バーツ/分
009 (eFone) 21バーツ/分

その後、バンコクの電脳街「バンティッププラザ」でノートパソコンと携帯電話を無線接続するための Bluetooth 発信機を購入(450バーツ, パソコンと携帯電話をケーブルで接続しても OK )。スィーロム通り(シーロム通り)の珈琲屋で調べ物をしてから帰宅した。

2005年11月9日(水)

「ただちにクルマを後退させて、対向車に進路を譲ってください!」

午後11時半、一方通行のスクンウィット(スクンビット)13をクルマ10台以上が逆走してきた。こちらは順路だったが互いに譲ろうとせず、コンドミニアム「リージェントレジデンス」の建設工事現場前で交通が完全に麻痺した。クラクションが鳴り止まぬなか、工事現場の警備員たちは自らの警備区域外での交通整理に乗り出すことを余儀なくされた。それが今晩の事件の発端だった。

Honda Jazz(ホンダ・ジャズ) を運転している友人は、警備員の指示など無視して、だれかれ構わずとにかく罵声を浴びせ続けた。このころになると、次第に警備員たちは警棒を持ち出したり駐車場のゲートをクルマにぶつけようとするなど威嚇を始めた。

僕は身の危険を感じて、ひとり友人の Honda Jazz(ホンダ・ジャズ) から降りて、敵意のないことを伝え警備員たちと一緒にウイスキーを飲み始めた。このとき、手に持っていた財布、タバコ、携帯電話をブリキ製の屋台用簡易食卓の上に置いた。

しばらくすると、しびれを切らした対向車が、友人の Honda Jazz(ホンダ・ジャズ) にミラーをぶつけながら強引に通過を試みるようになった。周囲から、罵声とともに歓声があがった。酒を飲んでいた警備員たちも一緒になって楽しんでいるようだった。

さすがに多勢に無勢を悟ったのか、友人はコンドミニアム「リージェントレジデンス」の建設工事現場の駐車場にクルマを突っ込み、ついにこのソーイ(小街路, ソイ)を対向車に明け渡した。そして、警備員たちの労をねぎらうために、安ウイスキー Spey Royal(サペイロイヤル)(259バーツ) を一本奢った。

約3時間後、フラフラになって帰宅した。安酒は悪酔いしていけない。コンドミニアムのカードキーや財布はポケットの中にあったが、どこを探しても携帯電話が見つからなかった。財布を盗られるよりは遙かにマシだ。そう思ってベッドへと倒れ込んだ。

昼すぎ、スィーロム通り(シーロム通り)の珈琲屋でペーパー(小論文)を書いていたところ、東南アジア研究室の職員から電話があった。前学期、ある講座で信じられないほど悪い成績をもらってしまい危機的な状態に陥っていたが、ほかの2講座によってなんとかフォローされたという知らせだった。午後10時、スクンウィット(スクンビット)22にある大衆居酒屋「栄ちゃん」で友人と酒を飲んだ。バンコク生活4年目にして、はじめて携帯電話を盗まれた。これまで、注意力散漫な人だけが狙われる他人事と高をくくっていたが、まさか留学終了4ヶ月前にして自分自身がそのような憂き目に遭おうとは夢にも思わなかった。

2005年11月11日(金)

One-2-Call(AIS のプリペイドカード) の通話料金残高、いくら残ってたか覚えてる? 音声メッセージは、『お客様のご利用残高は0バーツ0サタング(サタン)です』とか言ってるんだけど。こんなことなら、きのう電話をもらったときにカスタマーサービスに連絡して、サービスを停止してもらうんだったわ」

おととい携帯電話を盗んだヤツは、電話帳に登録されている番号に電話をかけまくったばかりか、通話料金残高がゼロになるまで使いやがったらしい。

「普通は携帯電話を盗んだら SIM カードを引き抜いてすぐにポイ、ってゆうのがセオリーなんだけど・・・・・・。まったく、変なヤツに盗まれたおかげで散々ね」

まったく、慰めてもらっているのか、追い討ちをかけられているのか。とにかく憂鬱な気分になった。

SIM カードの再発行

タイの GSM 移動体通信事業者( AIS, DTAC, Orange など)は、利用者を SIM カードで識別しており、本体とは別に売り買いされている縦1.5cm, 横2cmのカードを本体に挿入することではじめてサービスを利用できようになる。誰もそんな面倒なことはしないが、理論的には SIM カードを差し替えて使うことで、1台の携帯電話に複数の電話番号を持たせることもできる。このような事情から、タイの中古携帯電話機市場は非常に発達しており、盗まれた携帯電話も8,500バーツくらいで売り飛ばされている頃かも。

タイの移動体通信事業者が管理しているのは、顧客情報が詰まっている SIM カードのみで、携帯電話機本体は管理していない。

近年、タイの移動体通信事業各社は、苛烈な新規顧客獲得競争を繰り広げている。サービス向上の一環として、 SIM カードの再発行にも応じるようになった( SIM カードをなくしたのを機にキャリアを変更されてはかなわない)。このようなアナウンスは、携帯電話通話料金請求書やプリペイドカードの裏面にタイ語で書かれている。

ウィパーワディーラングスィット通り(ウィパワディーランシット通り)にある第3チンナワットタワー(チナワットタワー)2階の AIS カスタマーセンターで、紛失した SIM カードと同じ電話番号の SIM カードを再発行してもらった。所要時間は約5分で手数料は100バーツ。再発行には、①国民 ID またはパスポート、②警察発行の盗難/紛失届の写しが必要。

携帯電話の再購入

こうなったら、いま欲しいと思っている携帯電話を買ってしまおう! こんなつまらない理由で自分の携帯電話のレベルを下げたのでは自分が居た堪れなくなる。クレジットカードに付帯している海外携行品保険を使えば、自己負担3,000円で同等品の購入費用を負担してもらえる。

Sony Ericsson(ソニーエリクソン) 製携帯電話 W800i (19,900バーツ)は、ここのところ慢性的な品薄状態が続いている。そこで、タイ国内における総代理店になっている商社 Loxley(ロックスレイ) の直営店へと向かった。

商社 Loxley(ロックスレイ) の本社ビルは、地下鉄スィリギット国立会議場駅(スーンガーンプラチュムヘングチャートスィリギット駅)前にあるが、そこに個人向けの店舗はなく、タイ国内で Sony Ericsson(ソニーエリクソン) 製品をいち早く入荷するのは、高架電車 BTS モーチット駅ちかくの商業ビル Sun Tower(サンタワー) 1階にある直営店。

ちょうど今日が追加輸入分の入荷日で、近くの珈琲屋で友人と1時間ほど時間を潰していたところ、入荷を知らせる連絡が入り、無事入手できた。

クレジットカードの海外携行品損害保険

クレジットカードや海外旅行傷害保険には、海外携行品損害保険が付帯していることがある。僕は保険料を節約するために海外旅行傷害保険から海外携行品損害付帯を外しているが、幸いクレジットカードに海外携行品損害がついていたのでさっそく使った。

僕のカードに付帯している海外旅行傷害保険の有効期限は、日本出国から3ヶ月間。補償内容は、傷害死亡2,000万円、傷害治療費用50万円、疾病治療費用50万円、賠償責任2,000万円、携行品損害(自己負担額3,000円)15万円、救援者費用100万円。

帰宅後、金融通の友人のアドバイスどおり、クレジットカード会社にコレクトコールで電話をいれ、「携行品損害(海外のみ)」の保険金支払条件について問い合わせた。クレジットカード会社によると、保険金の請求には、①現地警察発行の盗難証明書、②盗まれた商品の保証書の2点を添付しなければならない。必要な書類は実家の方に送っておいてくれるという。

盗まれたおかげで最新の携帯電話機を数千バーツで買えたが、そのせいでペーパー(小論文)提出期限直前にもかかわらず、電話番号をメモ帳から電話帳に登録していく作業に追われた。

昼前、ウィパーワディーラングスィット通り(ウィパワディーランシット通り)にある AIS カスタマーセンターで SIM カードの再発行を受けてから、高架電車 BTS モーチット駅ちかくの Sun Tower(サンタワー)Sony Ericsson(ソニーエリクソン) 製携帯電話 W800i を購入。日本のクレジットカード会社に保険金の支払条件を問い合わせた。それらの作業に時間をとられたため、午前5時までペーパー(小論文)を書く羽目になった。

2005年12月30日(金)

「工業高専の角を右に曲がって、すぐに右折です」

午前10時半、ウボンラーチャターニー県(ウボンラチャタニー県)で、観光バス(1等高速バス644バーツ相当の臨時増発便)の運転手が道に迷い、目的地のウボンラーチャターニー市(ウボンラチャタニー市)から東に40キロ離れたピブーンマングサーハーン郡におり、堪りかねた乗客が運転手に指示を出した。

午後11時、ウボンラーチャターニー市(ウボンラチャタニー市)のバスターミナルに到着。バンコクからの距離およそ630キロ、所要時間10時間半。迎えに来てくれた、現地に住んでいる友人の後輩のピックアップトラック(ロットグラバ)で、タイ・ラオス国境があるチョングメック郡(チョンメック郡)へと向かった。

ラオスに行かないのに、なぜ何もない国境に向かってるのか?
(このとき、友人に確認したところ、国境は越えないという答えが返ってきた)

午後12時半、同県スィリントーン郡(シリトーン郡)にあるスィリントーンダム公園を経由して、チョングメック国境(チョンメック国境)に到着。友人たち9人(友人7人+現地に住んでいる友人の後輩3人)は、近代的な紫色の建物を目指して歩き出した。

こんなところにある近代的な建物といえば、入国管理局の庁舎以外に考えられない。絶対にラオスへ出国するつもりだ。

「そうに決まってるじゃないか。でなければ、誰がこんな片田舎の市場まで来るんだよ」

なんてこった。この集団にはまともなコミュニケーション能力がないのか? 「外国に行く」という肝心な情報が共有されてないとはどういうことか? タイ人は国民 ID(バットプラヂャムトゥワプラチャーチョン, バットプラチャーチョン)を提示すれば「国境通行証(パットパーンデーング)」(200バーツ)がもらえるからいいが、こっちは再入国許可証(リエントリーパーミット)をもらってから出国しないと留学ビザが失効してしまう。

やむなく、ピブーンマングサーハーン郡まで戻って、入国管理局で再入国許可証(リエントリーパーミット)を発給してもらった。

午後3時すぎ、国境を越え、ラオス側のワングタオ(ワンタオ)市場でワンボックスカー(ロットゥー)(500バーツ)を借り切った。このとき、不思議なショートメールを受信した。

「 AIS からのお知らせ。▽ウィアングヂャン(ビエンチャン)最低気温23℃, 最高気温32℃▽為替レート1ラオスギープ(ラオスキップ)=0.004タイバーツ▽時差0時間。外国でも One-2-Call のサービスをご利用いただけます。携帯電話から *131*(国番号)(電話番号)# の順に押すと発信できます。もちろん着信することもできます。外国旅行中も低コストでお友達とのやりとりができる Freedom Planet Promotion をどうぞご利用ください」

これは、 AIS の Freedom Planet Promotion (国際ローミングサービス)申込者が、外国でそのまま携帯電話を使うと自動的に送られてくるメッセージ。このサービスへの申し込みは、携帯電話から *125 +発信ボタンを押すだけ。通話料は着信1分40バーツ。ちなみに日本でも、▽国内通話1分50バーツ▽タイ向け発信1分30バーツ▽着信1分30バーツ払えば利用できる。送られてきたメッセージどおりに利用すると、発信後に折り返し電話がかかってくるコールバック通話になる。ラオス国内でも、残高照会(*121)とプリペイドカード補充ができる。ラオスで長期滞在するなら、タイ国内で大量のプリペイドカードを買っておくと便利。

日没前、僕たちはヂャンパーサック県(チャンパサック県)の県都パークセー市(パクセー市)にある小学校に、ノーイナーがベトナム旅行中に知り合ったラオス在住のベトナム人(永住ビザ滞在者)が迎えに来てくれた。

ゲストハウス「ナーリーンターヂャルーン」(7人部屋300バーツ)にチェックイン。メーコーン川(メコン川)の畔にある屋台街でラオス産ビール「ビアラーオ(ビアラオ, ラオスビール)」を飲んで、旅の疲れを癒した。