「ちょっと、これはちょっと熱すぎるんじゃないの?」
夜、スクンウィット13にあるコンドミニアム「スクンウィットスイート」199号室の浴室で、新しくしたばかりの温水器について友人がしたり顔で不満を漏らしていた。
タイの浴室には、浴槽、シャワー室、洗面台、トイレがある。これまでトイレだけの部屋は見たことがあっても、シャワー室だけが独立している部屋は見たことがない。しかし、日本のワンルームマンションにあるユニットバスとは違い、全面タイル張りの普通の浴室。この部屋の浴室には、全面大理石調のタイルが貼られているが、それが本物かどうかについては分からない。
タイの集合住宅にはガス湯沸かし器を設置できないため、各戸が自前で電気温水器を据え付けている。ところが24日朝、洗面台の下にある電気温水器が壊れてしまい、今日まで水シャワーで我慢してきた。その前日の急流下りがなければ、ちょっと耐えられなかったかも。
電気温水器は、水温が低すぎたり水量が少なすぎたりと、性能面で日本のガス湯沸かし器より格段に劣る。電気温水器の能力は、電力量 Watt で表される。
語学留学時代(2001.11-2003.3)、僕はペッブリー18にあるアパート Venezia Residence 644号室(家賃8,000バーツ)に住んでいた。その部屋の温水器は1,800ワット(推定市販価格2,000バーツ前後)で、冷水よりほんの少しだけマシな温水がチョロチョロ出てくるというもので、シャンプーを洗い流すのにも一苦労だった。タイに来たばかりで何も分からなかったため、「タイのシャワーはこんなにヘボいのか!?」と内心タイを小馬鹿にしていたが、今思えば、バカにすべきなのはそんなヘボい温水器しかない部屋に住んでいた僕の方だったのかも。
大学院入学後(2003.11-)、僕はスクンウィット13にあるコンドミニアム「スクンウィットスイート」199号室(家賃21,000バーツ)に移り住んだ。その部屋の温水器は6,000ワット(市販価格5,600バーツ程度)で、語学留学時代に比べればだいぶマシになっていたが、それでも水温が38度くらいまでしか上がらなかった。そのため、この2年間で浴槽にお湯を張ったのは5回にも満たない。
そこで、今回給湯器が壊れたのを機に、部屋のオーナーに頼んで8,000ワットの温水器をつけてもらった。
午後2時ころ、高級百貨店 Emporium に依頼しておいた作業員が、給湯器の設置工事に来た。工賃は800バーツだった。
さっそく浴槽に湯を張ろうと蛇口をひねったところ、なんと水温60度のお湯が噴き出してきた。棒で浴槽をかき混ぜながら水を混ぜると、水温45度の理想の風呂ができあがった。茹で蛸のようになるまで浸かり続け、風呂から出るとペーパーのことも忘れ、冷房がキンキンと効いている部屋で昼寝を楽しんだ。
タイには「熱いお湯を浴びてきた」というコトワザがある。「さまざまな苦難を乗り切ってきた」という意味だが、日本人的には冷水を浴びるくらいなら熱いお湯の方がよほど良いと思う。お湯は熱い方がいいに決まってる。