2001年11月14日(水)

昨晩以来、左目のコンタクトレンズが行方不明になってしまっていた。朝になったらヒョッコリと出て来るんじゃないかと思って放っておいたのだけど、そんな望みもむなしく左目に走る痛みだけが現実だった。

今朝、僕の部屋に遊びに来た友人とバンコク・クリスチャン病院に行った。彼女が言うには「市立病院は高額だがすぐに診療を受けられる。しかし、公立病院は安いが長時間待たなくてはならない」という。受付で簡単に手続きを済ませて眼科待合室へ。医師の昼休みが終わるのを待っているところに、パタヤから帰ってきたエーンが合流した。・・・彼女は大学に行ってないみたいだけど、単位の方は大丈夫なのだろうか?それとも、日本の大学のようにバイgばかりしていても、いつの間にか卒業できたりして。

眼科の医師は日本語で「上をぉ、向いてくださいぃ」とか言いながら、コンタクトレンズを探してくれたが、返ってきた答えは「ものぉもらいです」の一言だった。コンタクトレンズはどこに行ったのかと聞き返すと、帰ってきた言葉は「ディスアピーアー」。医療費は――保険未加入・目薬代込みで――864バーツだった。どうやら、保険に入った方が良さそうだ。

帰宅後、彼女らと部屋でトランプゲームをやった。そのゲームは麻雀のように金をかけてやるのが一般的らしいけど、今日はお金をかけないで先輩にやり方を教えながら練習――といっても、僕自身ルールがよくわからないけども、時々勝つときがある。いつか、このゲームの遊び方をインターネットで調べてみよう。

2001年12月12日(水)

午前5時に起きて、ルンピニー公園に午前6時に到着した。きのうプンに「早朝バドミントン」に誘われ、またしても断りきれなかった。プンたちが到着したのは1時間遅れの午前7時。午後8時、日差しが強くバドミントンが続行不可能になり帰宅。その後、正午ごろまで昼寝し、プンたちは起床後に帰って行った。

午後、近所の医院(30バーツ)で健康診断書を入手。診察はたったの40秒。モーチットの運輸局で、日本の国際免許証でタイの運転免許証を申請した。必要書類はつぎのとおり。

1. パスポートとそのコピー1通 (陸運局でもコピー可能, 3バーツ)
2. 在留証明書とコピー (日本大使館領事部の手数料, 800バーツ)
3. 国際免許証とコピー, または日本の運転免許証と日本大使館による翻訳証明
4. 1インチの身分証明用写真 (運輸局でも撮影可能)
5. 医師の診断書
6. 運転免許証発行手数料105バーツ

約1時間後、免許証は発行された。住所欄に誤記載を見つけ、こんな文書でも本当に効力があるのかとエーンに訊いたところ、「タイの警察は職務怠慢だから、どうせ顔写真と有効期限しか見てない」と話していた。

けさ、海外旅行傷害保険証書が実家から郵送されてきた。保険料は年間66,300円。保障内容はつぎのとおり。

傷害死亡 1,000万円 携行品 0円
傷害治療 600万円 荷物遅延 0円
疾病治療 600万円 旅行変更 0円
疾病死亡 0円 自動車対人 0円
賠償責任 1億円 自動車対物 0円
救援者費用 0円 緊急帰国 0円

2001年12月27日(木)

昼、日本式の病院食を注文したところ、うどんが出てきた。専用のふたが付いており、冷めないように工夫してある。まるでビジネスクラスの機内食のようだ。

この頃には、吐き気と頭部と腹部の痛みはすでに収まっていた。――と、いうことは食中毒ではない。昼食後に往診に来た内科医によると、吐き気の原因は便秘だったという。便秘と偏頭痛でわざわざ病院に行き、しかも入院までしてしまった! アドベンチャーな体験だけど、なんとも虚しい。

今回、入院費用が直接保険会社に請求されたため、書類数枚にサインしただけで退院できた。病院から保険会社に請求された医療費の明細は次のとおり。

診察費 ฿3,100 医療品供給費 ฿205
X線技術者費用 ฿255 薬品代 ฿1,760
X線費用 ฿600 介護サービス費 ฿690
臨床試験費 ฿1,395 室料 ฿3,030
合計 ฿11,035

その後、シーロム通りのバンコク銀行本店2階で、留学資金の1,250,000円をバーツ建てで預金したところ、415,687バーツになった。為替レートは1バーツ=3.01円。窓口の行員からコンドミニアム購入に必要な送金証明書の申請用紙を手渡された。窓口の行員によると、これだけの金があれば、あまり良くはないが、住むには十分耐えるレベルのコンドミニアムが買えるという。不動産関係の雑誌で、バンコクのコンドミニアムの相場について調べてみようかな。

2002年5月14日(火)

放課後、自習仲間が仕事に出かけてしまったため、 Siam Discovery Center(サヤームディスカヴァリーセンター) 6階にあるエーンのバイト先、酸素吸引屋 Oxygen Bar(オキシジェンバー) で勉強した。毎週火曜日は、ジョーイの非番日で、勉強だけのために店をエーンと独占できる(どうせ客なんか来やしない)。ところが、ちかくにある駄菓子屋で買ったソフトキャンディー mentos(メントス) を食べながら教科書を読んでいたところ、突然、ガリッっと硬いものを噛んだ。

 1. 歯が抜けた (かなり懐かしい感覚)
 2. 差し歯が抜けた(差し歯なんてあったっけ?)
 3. 銀歯が抜けた

とっさに三択問題が頭をよぎったが、常識的に考えて 3 (銀歯が抜けた)以外には考えられない。数十メートル先の連絡橋を渡ったところに歯医者があるのを思い出した。ところが、「Siam Center(サヤームセンター) の歯医者なんて高いに決まってんじゃん! 歯医者なら、ラーチャテーウィー駅(ラチャテウィー駅)前にもあるじゃないの?」とエーンに強く反対された。

多少割高でも取れた銀歯を今すぐ元の位置に戻したかったため、エーンの反対を押し切って、 Siam Center(サヤームセンター) 4階東側にある Siam Center Dental Clinic(サヤームセンター歯科医院) の木製の扉を開いた。

受付で、タイで歯科にかかったことがないことを話し、治療費の概算について訊くと、「おそらく500バーツ未満でしょう」との返事。健康保険を使わずに、1,500円で歯科の治療を受けられるなら妥当かも(海外旅行保健では歯科はカバーされていない)。

この歯医者でも、例によってタイ人と間違えられた。そして、つぎの瞬間にはネイティブタイ語の雨あられに直撃された。最近、相手が話していることを推測できるようにはなったが、それでもネイティブ向けのタイ語、しかも専門用語を投げかけられるとビックリする。

ふたたび Siam Discovery Center(サヤームディスカヴァリーセンター) 6階にある酸素吸引屋 Oxygen Bar(オキシジェンバー) へと戻り、なぜタイ人と間違えられるのかエーンに訊くと、「ふつう、日本人の目は中国人のように小さいでしょう? でも、ケイイチの目はタイ人のように大きいから、タイ系に間違えられるのよ。 一言も話さなければ、どう見たって絶対にタイ人だもんね」と言われた。

一説によると、タイ人男性は日本人女性にモテるという。まあ、モテの仲間入りができるなら、それはそれで満足しておこう(ちょっと強引すぎ?)。

日本にいたころは、日本人の中でもかなり白いほうだったが、タイ留学開始以来の5ヶ月間で、肌の色が少し黒くなっている。

2002年5月15日(水)

放課後、 Siam Center(サヤームセンター) にある歯医者 Siam Center Dental Clinic(サヤームセンターデンタルクリニック) で、取れた銀歯を新たに作らずに、少しだけ細工を加えて付け直してもらった。所要時間約15分で、料金は350バーツだった。

その後、 Siam Discovery Center(サヤームディスカヴァリーセンター) 6階にある、エーンがアルバイトしている酸素吸引屋 Oxygen Bar(オキシジェンバー) へ行くと、「へぇー、350バーツだったんだぁ。サヤーム(サイアム)だから高いとばかり思ってたけど、安くて良かったじゃない?」 と言われたので、新たに銀歯を作ったわけじゃなくて付け直しただけと説明すると、「うそっ!? テナント料が高いから仕方ないけど、それはちょっと高すぎるよ」と指摘された。

歯医者の設備は、比較的新しい日本の開業歯科医院程度だが、技術については不明。客は少なく、専属の歯科医すらいない。客からの予約が入るたびに、店番が電話で歯科医を呼んでいるらしい。

きょうの授業も意味不明だった。新任講師の担当日は月曜日と水曜日だが、まだ教え方のコツを掴んでいないようで、クラスメイトたちの忍耐力も限界に近づいている。

なにしろ、この授業のために月々8万円もの授業料を払っているんだから。

2002年5月25日(土)

夕方、コーンウェーン通り(コンヴェント通り)にある Starbucks Coffee(スターバックスコーヒー) でタイ語の復習をしていたときに、タイ語を勉強している日本人現地採用者と知り合い、バンコク銀行本店横にある焼き肉屋で飲んでから、高架電車 BTS アヌサーワリーチャイサモンラプーム(アヌサワリー, 戦勝記念塔)駅ちかくにある Saxophone(サクソフォーン) へと連れて行ってもらった。

この店は、欧米色が強いパブだが、観光地から離れているため売春婦がおらず、発展途上国ならではのストレスを感じずに済む。バンドによる生演奏があり、気分転換にも最適。途中、部屋にいたエーンも呼んで、閉店まで楽しんだ。ドイツ製黒ビール(500ml)が200バーツだった。

2002年10月28日(月)

昼、授業中に飴を舐めていたところ、下顎右側第1大臼歯の銀歯に張り付いた。それをムリヤリ引き剥がすと、こんどは銀歯まで取れてしまった。

高架電車 BTS プローンポング駅(プロンポン駅)ちかくの歯科医院「恵歯会」をクラスメイトに勧められ、さっそく予約した。

歯科医院「恵歯会」の歯科医師と看護婦は、いずれもタイ人で、日本人は通訳兼受付のひとりだけだった。問診票に氏名や職業等の個人データと来診目的を記入し、そのまま診察室のリクライニングシートに横になった。

「麻酔をしまーす」

歯科医師は、何の説明もせず、いきなり右上歯茎に注射針を差し込み、日本人通訳に「何色の歯がいいか聞いて」と指示した。日本語訳を待たずに値段差について尋ねると、「銀歯が6,000バーツ、白い歯が7,000バーツ、金歯が8,000バーツです」と日本人通訳が答えた。あまりの展開の早さと金額の高さに半ば投げやりな気分になり、たった1,000バーツの違いならと、銀歯ではなく白い歯を注文した。

その後、歯科医師は顎骨を削って詰め物をした。銀歯を作り直すために、なぜ顎骨を削ったのか解らず仕舞いだった。

クラスメイトは、タイの歯科治療の特徴について、つぎのように話している。

・治療前説明が不十分(ただし、バムルングラート病院(バムルンラート病院, バムルンラッド病院)の治療前説明には定評がある)。
・技術力が高く、特にボルトのようなものを歯に埋め込む技術は卓越している。
・精度の高い銀歯を安価で取り付けられる。
・治療に必要な期間が短い

エーンによると、タイ人向けの歯科医院であれば、2,500バーツ以内で済むという。

海外旅行傷害保険には、歯科治療は含まれていない。

2002年10月31日(木)

夜、スクンウィット(スクンビット)11にある日本料理屋「勝一」で、クラスメイトと夕食をとった。トンカツ専門店だけに、トンカツ料理に関してはバンコクで一番かも。

この1年間、いろんな店のトンカツを食べてきたが、いずれもバンコクのトンカツ特有のクセが気になって仕方なかった。そのクセがないのはうれしい。トンカツの値段は、180バーツから220バーツ(別途ライス代がかかります)。

食後、夜の街へと出かけたが、どこもハロウィーン一色だった。エーンも、魔女の格好をして、友人とカーオサーン(カオサン)へ出かけている。

ハロウィーンは「万聖節の前夜」のことらしいが、観光地に限っては、この仏教国でも盛大に祝うという。

2002年11月1日(金)

「歯科医師は、安定した収入を定期的に得るために、患者に無意味な来診を強いている」

日本にいた頃、このような話をよく耳にしたが、どうやら間違いでもないらしい。

日曜日、高架電車 BTS プローンポング駅(プロンポン駅)前にある歯科医院「恵歯会」で、虫歯を治療し、銀歯を取り付けるためのボルトを埋め込んだ。銀歯は、きょう(4日後)完成し、それを取り付けて歯科医通院は終了した。5日間、たった2回の通院ですべてが終わった。

日本の保険制度は、健康を維持するための最低限の医療を前提としているのではないか、という疑問を今回の歯科医通院で感じた。歯科医師の収入のために何度も足を運ばされてはたまったもんじゃない。

海外旅行傷害保険では、歯科は保険の対象とならないため、実費を払わなければならない。それだけに、保険適用外の高度な治療を受けることができ、1割ほど多く払うだけで、レーザー光線を用いて虫歯を除去し、「白い銀歯」を付けることもできる。

今回の虫歯治療は、ぜんぶで7,000バーツだった。国民健康保険を適用したときの料金に比べれば割高だが、ここでは少ない通院回数で、日本以上の治療をしてもらうことができる。タイは発展途上国だが、医療面でも遅れていると決めつけるのは誤りだ。

エイズに感染するために投資するくらいなら、日本以上の医療を受けることに投資してはどうか。いつか、オンナを買うためのバンコク通いが、治療のためのバンコク通いに変われば良いと思う。

バンコクの性転換技術は世界一という。美容整形手術の水準も高く、料金も驚くほど安い。

2002年11月8日(金)

海外で病気にかかると厄介だ。自分の症状を外国語で正確に伝えるのが難しいのはもちろん、国民健康保険が使えないため莫大な療養費や移送費も請求される。十分なタイ語力がなく、海外旅行傷害保険にも加入していない日本人にとっては一大事業となる。

朝、日本人留学生に電話したところ、38℃以上の高熱を出して寝込んでいた。海外旅行傷害保険に加入していないため、日本語通訳がいる私立病院(日本国内の並の総合病院よりも遙かに良い設備とサービスがある)へ行く金もないという。

午前中の授業終了後、国立マヒドン大学医学部附属ラーマーディッボディー病院(ラマティボディ病院)へ、日本人留学生と日本人元看護婦と出かけた。この病院はタイ人のあいだでも定評がある。

病院の案内標識はすべてタイ語で書かれており、英語併記はおろか外国語通訳カウンターもない。待合室はオープンエアーでエアコンもなく、患者たちが木製のベンチで順番待ちをしていた。

仕方なく、一般外来受付へ行き、タイ語で初診手続について尋ねると、看護婦がナチュラルスピードのタイ語で説明してくれた。ゆっくり話してくれなければ、英語か日本語かも選ばせてもくれなかった。外国人に不慣れな、完全にタイ人向け医療機関の看護婦だ。

「一般外来の初診受付は通常、午前中いっぱいで終了しますが、あちらの6番窓口に問い合わせてみてください。もし受付が受理されたら、目の前にある階段を2階に上がって総合診療科(ホームドクター科)へ行ってください」

6番窓口で、受診票に患者の個人情報(パスポート, 住所, 電話番号, 保険の有無など)を書き込んで提出した。付き添いのタイ語通訳(?)である僕の連絡先も書かされた。初診受付は受理され、診察券とカルテのファイルを手に入れた。

総合診療科窓口で、診察券とカルテファイルを差し出すと、看護婦に「この名前ってタイ語でどう書くの?」と聞かれた。タイでは通常、外国人の氏名は英語で表記されるが、この看護婦はあくまでもタイ語表記にこだわり続けた。

受付終了後、診察室前のベンチで順番待ちをしていたところ、タイ語で氏名が読み上げられ、「呼び出された方から順番に2番診察室前の椅子(ベンチ)でお待ちください」と指示された。

順番はすぐに回ってきた。2番診察室へ3人で入ると、若い女医は、旧式の血圧計で日本人留学生の血圧と心拍数を測り胸部と背に聴診器をあてるという作業を、驚異的な速度でこなしていった。日本人元看護婦も、この短時間では正確なデータが得られないと、首を傾げていた。

女医に日本人留学生の症状を説明し、薬によるアレルギーがないことを付け加えた。

そこで、医療関係のタイ語語彙の不足に直面した。相手が友人なら「のどにある黄色くてネトネトしたものが気持ち悪い」と伝えれば痰が詰まっていると理解してもらえるが、さすがに医師相手にこんな表現も使えないから、友人の日タイ辞典を引いた。痰は、タイ語で เสมหะ(セームハ) seěm hà というらしい。

医師は、今回の症状について簡単に説明し、最後にクスリを出すと言った。診察時間はおおむね3分程度。総合診療科の出口でオバさんにカルテファイルを渡したときに受け取った整理券を、会計に提出した。

ラーマーディッボディー病院(ラマティボディ病院)の会計は、おかしなところで IT 化が進んでいる。液晶モニターが窓口の上部に据え付けてあり、そこに整理番号と氏名、請求額が表示される。日本人留学生の請求額は297バーツで、内訳は外国人初診料250バーツ、診察料10バーツ、薬代47バーツ。安すぎる。外国人向けの高級病院と比較すればタダ同然だ!

会計終了後、薬局でクスリをもらい、効用と使用法について説明を受けた。

国立マヒドン大学医学部附属ラーマーディッボディー病院(ラマティボディ病院)は、タイ最高水準の医師と医療機器を備えており、しかも安い!! ただし、ナチュラルスピードのタイ語が聞き取れないと、受診どころか受付すらできない。

もちろん、海外旅行傷害保険に加入しているなら、日本語通訳付き、エアコン完備、待ち時間ほぼゼロの市立病院に行った方がよい。どうせタダだ。

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