バスに美人がいなくなったらサムローング

午後6時45分、サムットプラーガーン県の北サムローング郡にある大型ショッピングモール Imperial World Samrong で、友人と待ち合わせをしている時間まで45分もあったため、店内をくまなく見てまわったところ、商品の品揃えが庶民的なのはともかく、客層があまりにも田舎臭くて、これでもかというほど不細工揃いだったことに心底驚いた。

「バスで居眠りをしていて、ふと目が覚めたときに、もしかして乗り過ごしてしまったのではないかと不安になることがあると思うけど、車内に美人がいなくなったらサムローングだから、美人がまだ残っているか確認をするだけですぐに分かるんだ」

午後7時半、地階にある Chester’s Grill の前で友人たちと合流して、さっそく Imperial World Samrong の感想について話してみたところ、そんな興味深い話を聞いた。この一帯は、日系の製造業が数多く進出しているタイ有数の工業地帯で、地方から出稼ぎに来ている工場労働者が多いことを考えれば、それもありそうな話だ。

午後8時、スィーナカリン通りにある屋外カラオケ料理店「バーンスワン食堂 The Garden」へ行って友人たちと夕食をとり、その後、酒を飲んでタイ語曲を歌いながらビーチリゾートの「パッタヤー」で新年を迎えることを計画していたが、クルマで迎えに来る予定になっていた友人の友人がバックレたため中止となり、やむなく近場にあるクラブへ移動した。

午後10時、テーパーラック通りにあるクラブ Itchy に入店した。工場の労働者たちが多いことで知られている Street of Hoolywood は避けて、できるだけ都会風の若者たちが多そうな店を選んだつもりだったが、やはりバンコク中心部ほどの気品はないし、なによりオシャレにも金をかけていない様子だった。

午後11時50分頃になると客席へ向かってステージからクラッカーが投げられ、カウントダウンがゼロになると同時にそのクラッカーをみんなで一斉に鳴らした。その後、前後左右にいたグループと乾杯をしながら過ごし、翌1月1日午前4時20分に店を出た。

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ケイイチ
バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。