仕入先の担当者とタニヤのカラオケスナックへ行ってみた

正午、ペッブリー1街路にあるホテル Bangkok City Suite をチェックアウトして、スクンウィット15街路にあるホテル Royal President へ移り、近くにあった美容室で洗髪した。午後2時半、サヤームパラゴンの1階にある Häagen-Dazs で手土産のアイスを買ってから現地法人へ行って、先日来の懸案となっていた商材について話し合った。午後4時半、バンコクバザール通り(Big-C ラーチャダムリ本店裏)にある徐富診療所で、友人と足裏マッサージを受けた。午後6時、スクンウィット13街路にあるホテル Grand President で仕入先の出張者たちを出迎え、ラングスワン通りの中華料理屋「養生堂 ー 科挙主席合格者のレシピ」でタイ現地法人に出向中の上役たちと合流して、夕食をとった。

午後9時半、タニヤ通りにあるカラオケスナックと、スクンウィット4街路にある Nana Entertainment Plaza の Go Go Bar で、仕入先の営業担当者に奢ってもらった。先日来、書類上の重大な誤謬を相次いで見つけ、困難を未然に防いできた貸しを返してもらうためだ。薄暗いソファー席で売春婦に抱きつかれてご満悦な様子だった仕入先の技師を眺めていると、留学時代にタイ人のクラスメイトが話していた言葉を思い出した。曰く、タイ人の女性が相手にしていないビーチボーイは日本人女性、タイ人の男性が相手にしていない売春婦は日本人男性が引き取ってくれているおかげで、街中のゴミがキレイになって助かっているという。まあ、出張者がタイ人の社会について詳しく知っている必要もないから、むしろ火を煽って楽しんでいたが、もし売春婦にハマってしまう兆候が少しでも見られたら、すぐにでも止めに入るつもりだった。さすがに取引先の技師を精神病院送りにさせてしまうわけにはいかない。

タイでは、標準的な日本人のスペックを満たしていない日本語話者たちが、タイの階級社会において「人」として待遇されているのかどうかも怪しい売春婦たちを血眼になって収集し、それを日本語で自慢し合っている。

それにしても、赤痢やチフスといった感染症はとっくの昔に根絶されたというのに、有料の恋愛サービスに対して勝手な妄想を抱き、自分のサービス利用状況を自慢し合っている間抜けたちが、いまだ根絶されていないのはなぜなんだろう? しかも、そんな間抜けにかぎって、すぐにエスノセントリズム(排他的日本民族優越主義)を振りかざして自己の正当化を図ろうとするから、本当に不思議でならない。自分が平均的な日本人(フルスペック日本人)の要件を満たしていない場合、エスノセントリズムを振りかざしたら、かえって自己否定にしかならないことに、気付くこともできないのか。民族主義で自己を否定して自己の正当化を図り、それでなんとかプライドを保っているような人たちばかりの社会って、どう考えてもちょっとヤバすぎるでしょう? このような現象をタイ語では อุปาทานหมู่(ウッパーターンムー:集団ヒステリー)という。

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ケイイチ
バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。