タイの地方都市でクルマの修理を依頼したら交換部品が模造品だらけだった

20070829@2x

「地方にいる自動車整備工は、バンコクとは比較にならないほど腕が悪いから、当てずっぽうに作業をされて、修復できない状態にされてしまうかもしれない。もはや『かかりつけの医者』を呼ぶか、バンコクまで牽引して帰るかの二択から選ぶしかなさそうね」

午後6時、タイ国道304号のチャチューングサオ・ガビンブリー線を走行中に、ノーングプローング交差点のど真ん中で、1994年に製造された走行距離約24万キロの、友人が所有しているトヨタ・カローラが突然停止した。それ以降、アクセルを連打踏みしてはエンジンを再始動させるのを繰り返してなんとか走り続けていたが、プラーヂンブリー県スィーマハーポー郡タートゥーム町で午後6時10分、とうとうエンジンがかからなくなってしまった。やむなくクルマを惰性走行のままタイ商業銀行クローングラング支店の前にある路肩に寄せて、ちょうどそこからすぐ近くのところにあった小さな自動車整備工場まで、未舗装路の泥濘のなかを友人と歩いた。

タイの国内には、驚くほどたくさんのニセモノの自動車部品が出回っている。整備工の勧めで、エンジンオイルなどに含まれているダストを取り除いて内燃機関の磨耗を低減させる役割を果たしているオイルフィルターという部品を NTN 製の補修用のものに交換した。料金は、部品代金と工賃の合計で350バーツだった。しかし、 NTN 株式会社は大阪に本社があるベアリングの専業メーカーで、たしかオイルフィルターは製造してないかったはずだ。つまり、この部品は日本のブランドネームを騙っている模造品で、ダストが性能基準を満たしていないオイルフィルターを素通りして、エンジンにダメージを与えてしまうかもしれない粗悪品ということになる。タイでクルマを修理するのなら、自動車整備工場へ持ち込むまえに、バンコク・ポーンプラープ区にあるウォーラヂャック通りへ行って信頼できるパーツショップでまともな補修用部品を調達してから修理を依頼するか、もしくは純正部品を使って修理してくれる正規ディーラー店へ持ち込むしかない。

午後8時半、案の定オイルフィルターを交換しただけではエンジンがかからなかったため、整備工はつぎに燃料ポンプの交換に着手したが、補修用の部品を取り扱っている店がすでに店を閉めていることが判明したため、やむなく断念することになった。午後11時30分、はるばるバンコクからやって来てくれた馴染みの整備工が修理を試みたものの、やはり同様の理由から修理は明日の午前9時以降に持ち越された。

タイ航空643便ナコーンナーヨック号は定刻より45分早い午後1時45分、バンコク・スワンナプーム国際空港に到着した。空港の第2駐車場ビルから友人のクルマを運転して、タイとカンボジアの国境があるサゲーオ県アランヤプラテート郡へ向かった。途中、日系製造業の工場が多数進出しているところとして知られているプラーヂーンブリー県ガビンブリー郡の手前約22キロの地点にあるスィーマハーポー郡タートゥーム町でクルマが動かなくなった。翌30日午前1時半、やむなく同町にあるアパート「ヂェーヂェーアパートメント」の8号室に宿泊した。宿泊料金は1部屋550バーツだった。

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2001年に金融機関の社内SEを辞めてタイへ渡り、タイ国立ヂュラーロンゴーン大学文学部が開講している外国人のための集中タイ語講座、インテンシブタイ・プログラムを修了しました。その後、アメリカ・ロサンゼルスにおける語学留学を経て、2006年にヂュラーロンゴーン大学大学院の東南アジア研究科修士課程を修了。以来、機械部品商社の海外営業、生産設備商社の海外営業を経験し、現在は機械メーカーの国内営業部門で海外現法向けの部品輸出を担当しています。