タイ大学めぐり その12

「パーダーングベーサー国境で鉄道技師として働いていた2年間は、勤務先の同僚たちをはじめ、タイやマレーシアの入国管理局に勤務している係官たちと酒ばかり飲んでいた。それこそ酒を飲むことが仕事のようになっていた。マレーシアではイスラーム教徒が酒を飲んでいると宗教警察に拘束されて刑法犯として処罰されると言われているが、賄賂はタイより横行していたし、ヤツらだってメチャメチャ酒を飲みまくっていたんだぜ」

午後10時半、スクンウィット53街路にある格安居酒屋「いもや」で、タイ運輸省の鉄道局で中尉の階級にある武官と同格の4級文官として働いている友人は、タイ南部のソンクラー県へ赴任していたときに見聞きした、マレーシアに関するさまざまな事情について語ってくれた。その最中も、この友人のもとにはマレーシアへ出稼ぎに行っているタイ人の女友達から電話があって、不法滞在の容疑で逮捕されてしまったがどうしたら良いかと相談を持ちかけられていた。日本の高等専門学校もしくは短期大学に相当する高等専門学校の後期課程を卒業した27歳で、月々の俸給は9,400バーツ。タイの官吏は昇給が少ないことで知られているが、いくら物価が日本より安いバンコクでも、これだけの収入では生活は厳しいはずだ。バンコクの民間企業で働いている大卒非現業職27歳の会社員の月給は18,000バーツから25,000バーツのあいだぐらいと言われており、国立大学の法科大学院へ通っている別の友人によると、27歳なら最低でも12,000バーツはないと話にならないという。今回の飲み代1,700バーツは、この官吏の友人をのぞく僕と法科大学院の学生のほか、バンコク大学工学部の学部生の3人で支払った。

午前10時半、サヤームパラゴンで友人と合流して、バンコクから南東へおよそ250キロのところにあるヂャンタブリー処女降誕聖堂へ行き、その友人のギックでアイドルの高校生に会ってから、バンコクまで戻ってくる途中でバーングナー・トラート通りにあるフワチアオチャルームプラギアット大学(華僑崇聖大学)に立ち寄った。午後9時、スクンウィット53街路にある格安居酒屋「いもや」へ行って、別の友人たち3人と酒を飲んだ。日本人ばかりのこの店で、タイ人たちと議論をガンガン戦わせてみるのも面白い。どうせほかの客に聞かれたところで、タイ語は理解できないと分かっていたので、言いたい放題ぶちかましまくった。まるで東京の通勤電車のなかで暗号会話をしているかのようで、とても愉快な気分だった。その後、友人が住んでいる狭い部屋へ行って安ウイスキーを飲んだ。

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ABOUTこの記事をかいた人

バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。