サムイ島1日目

「はじめて来たけど、想像以上に栄えていてイイカンジじゃない? 観光産業だけに依存している街と言ってしまったらそれまでだけど、ちゃんと Lotus もあるし、田舎の県庁所在都市なんかに比べれば全然まともよ」

午後7時10分、タイで3番目に大きい島、サムイ島のチャウェーング海岸沿いの通りには、メータータクシー(スラートターニー県ナンバー, 黄色と赤茶色のツートンカラー)が頻繁に行き交っていた。西洋料理店の白人オーナーが、道行く観光客たちに「まあ、これを食べてみてくれ」と手当たり次第に声を掛けている。メインとなっている通りが狭いため、タイ国内にあるほかのリゾート地より寂れているイメージだが、それでもいちおう観光地らしい陽気さはある。

今回は予定を立てず、自由気ままな旅を楽しんでいる。もちろん今晩のホテルも決めておらず、旅行代理店へ行ってホテルを選ぶつもりだった。しかし、偶然見つけた旅行代理店の女性従業員は、ホテルの空室状況をまったく知らず、ホテルの位置さえまともに説明できないような有様だった。もしや、白人経営の旅行代理店で働いているこの女性従業員、娼婦あがりの阿呆ではないか・・・・・・と思い、ちょうど同じ不安を感じていた友人と目を合わせた。

旅行代理店の従業員から「ここしか空いていない」と言われて向かったホテル Sea Cape Beach Resort (3,500バーツ)は、予想以上にひどかった。今月1日にスラートターニー県で泊まった安ホテル SR (500バーツ)よりも劣っている。唯一の救いは幅40mのプライベートビーチがあることぐらいか。

20060206-2@2x午後10時半、リゾートホテル「プーゲットグレースランド」をチェックアウトした。セントラル百貨店プーゲット店の薬局へ行って液体状の胃薬を買った。きのうの船酔いを治すために運転をしながら胃薬を飲んでいると、次第に視界がぼやけてきた。クルマを田舎道の路肩に駐めてクスリの成分に目を通してみると、そこにはなんと「アルコール9.5%」と書いてあった。すでに750ccのうち半分を飲んでしまっていたが、こんなところで休憩するわけにもいかず、そのまま目的地があるスラートターニーへ向かってクルマを走らせた。途中で気が変わり、スラートターニーの東およそ74キロにある船着場「ドーンサック」から、フェリー(乗用車325バーツ、同乗者110バーツ)でサムイ島へ向かった。本日の走行距離は368キロだった。

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ケイイチ
バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。