ワイオンラウォン挿入歌 vs フェーンチャン挿入歌

「マイクを8番席から2番席へ」

――くっそー、何もリクエストしていないのに、なんでマイクが回ってくるんだよ。

午後8時半、ラッチャダーピセーク8街路にある日本人向けのカラオケスナック MOMO の前でタクシーから降りて、笑顔で出迎えてくれた MOMO のホステスたちの目の前を素通りして、道路のちょうど反対側にある大部屋カラオケ屋「アンチャン」の前で待っている友人のもとへ直行した。

大部屋カラオケ屋「アンチャン」の店内は薄暗く、パソコンで選曲操作をしている DJ がいるブースの真上にプロジェクター用のスクリーンがあった。テーブルは全部で9つあって、50人ぐらい収容できそうだった。

「8番席」には、瓶ビール2本だけで粘っているタイ人の男女2人組がいた。特に女性の歌唱力はすさまじく、まるでコンサートを聞いているかのような迫力だった。どこでどのような練習をすれば、微妙な音調の変化にあれだけ上手く対応できるようになるんだろうか。

僕たちは、 DJ がいるブースから見て、8番席と左右対称の位置にある2番席に陣取った。タイ語のポップスは、J-Pops と比べてキーが低いため歌いやすい。しかも、先月の26日に受けたレーシックの手術によって視力が完璧に矯正されているため、巨大なスクリーンに投影されているタイ文字を読めば良いだけだから、それほど難しい作業ではない。ところが、タイの学校では、タイの古典舞踊に重点を置いて教えているため、合唱の練習をする機会がほとんどないという。案の定、友人の歌い方は、まるで日本の小学校6年生のようだった。

それまで、僕たちの2番席は2004年以降に発売された比較的新しい曲ばかりをリクエストし、8番席は2002年から2003年にかけて発売された比較的古い曲をリクエストしていたが、酒が進むにつれ次第に誰もにリクエストを出さなくなった。しかし、 DJ としては店内に流れている音楽を中断するわけにもいかないため、勝手に選曲をしては次から次へと客に歌わせるようになった。リクエストを出す側と受ける側の立場が完全に逆転した。こうして、 DJ 主催のタイ映画「ワイオンラウォン4」挿入歌(2番席) VS タイ映画「フェーンチャン」挿入歌(8番席)の戦いが始まった。曲目はつぎのとおり。

ワイオンラウォン4 フェーンチャン
1. เธอที่รัก / Paradox
2. รักหนอรัก / บัวชมพู ฟอร์ด
3. น่ารัก / ดา Endorphine
4. สองคนหนึ่งคัน / AB Normal
5. ไม่มีฉันแล้วเธอจะรู้สึก / Mr.Team
6. พรหมลิขิต / ปู Blackhead
7. ระทมรัก / อุ๊ หฤทัย
8. สุขาอยู่หนใด / กบ Taxi
9. กุหลาบน้อย / ชัยรัตน์ เทียบเทียม
10. ความเดิม / นิติพงษ์ ห่อนาค
1. แฟนฉัน / AB Normal
2. รักครั้งแรก / จั๊ก ชวิน
3. ความทรงจำสีขาว / ปาล์มมี่
4. คิดถึง / AB Normal
5. ป้ากะปู่ กู้อีจู้ / Dajim
6. รักบึงเก่า / เพื่อน
7. คอนเสิร์ตคนจน / นกแล
8. น่าอาย / รอยัลส์ไปร์ท
9. ใจเธอใจฉัน / 18กะรัต
10. คนที่รู้ใจ / แหวน ฐิติมา
11. สายเกินไป / โอเวชั่น

ワイオンラウォン4の挿入歌については、一度しか聴いたことのない曲ばかりだったため、耳元で友人に歌ってもらい、そのリズムに合わせてスクリーンに投影されている歌詞を読むかたちで、なんとか全曲を歌いきった。こんなに強烈なスパルタカラオケに通っていたら、もしかしたら1週間もしないうちにタイ語カラオケのボキャブラリーを100曲ぐらい増やせるかもしれない。

昼すぎ、スィーロム通りにある珈琲屋 Coffee Society でバンコクに滞在している高校時代の友人と合流し、スラウォング通りにあるマッサージ屋 King’s Body Massage (330バーツ)へ行ったあと、エーガマイ通りにある焼肉屋「座頭市」で夕食をとった。座頭市では開店1周年記念の焼肉食べ放題(ひとり300バーツ)をやっていたが、この店の焼肉がひと皿70バーツ前後であることを考えると、食べ放題ではなく、単品で頼んだほうが安上がりだったかもしれない。午後8時半、ラッチャダーピセーク8街路にある大部屋カラオケ屋「アンチャン」の前で別の友人と合流し、午前3時まで歌い続けた。

帰りのクルマのなかで、友人が面白いことを話していた。

「プアンサニット(2005年に公開されたタイ映画)に出てくるダーガーンダー(この映画のヒロインでタイ語で愛しき人の意)って、やっぱり黒いわよね。タイ人は、彼女をダーガンダム(黒いと罵り合う)と呼んでいるんだけど、どう思う?」

そのジョーク、ブラックすぎ。ちなみにこの友人、最後の方の記憶がまったくないという。

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ABOUTこの記事をかいた人

バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。