歩道とエロ本と海外旅行 (タイ人との香港旅行1日目)

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「香港の歩道って歩きやすくていいね! もしバンコクの歩道もこれだけ歩きやすかったら、ウォーキングでも始めてみようかしら。でもさあ、どうしてこんなに堂々と、道端でエロ本が売られているのかしら?」

香港・彌敦道にある地下鉄佐敦站の前で、友人が香港に到着してからはじめて観光旅行らしい感想を口にした。たしかに、バンコクの主要道路とは違って、彌敦道の歩道は広くて段差も少なかった。自分の足元に注意を払わなくても安心して歩くことができる歩道が、タイ人の目に新鮮なものと映ったとしても決して不思議ではない。

Life on Campus 第2号

Life on Campus 第2号

香港の露天ではエロ本が無修正のままの状態で大量に並べられているが、タイではエロ本の販売が法律で禁止されているため、友人にとって、これが初めて見るエロ本となった。タイの高級日刊紙「マティチョン」の週刊版(2005年7月1日~7日版)は、大学の制服を正しく着用している16歳から23歳までの女性たちの写真が掲載されている普通の雑誌 Life on Campus(39バーツ)について取り上げて、「ヨダレが垂れんばかりの雑誌」と紹介している。とりあえず、「バンコクとは違って、日本や香港には庶民が気軽に通えるような性風俗がないから、必然的にエロ本の需要が高まるんじゃないか」と答えておいた。

昼前、高架電車モーチット駅の近くにあるオフィスビル Sun Tower へ友人と行って、携帯電話メーカー Sony Ericsson のタイにおける販売総代理店 Loxley の支店で、携帯電話 K750 のファームウェアを更新し、その足でバンコク・ドーンムアング国際空港へ向かい、アラブ首長国連邦の航空会社、エミレーツ航空の KE384 便に搭乗した。

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午後6時半、中華人民共和國の香港特別行政區にある香港國際機場に到着した。そこからバンコクの旅行代理店が用意した観光バスに乗って、地下鉄佐敦站から徒歩3分のところにあるホテル「大華酒店」へ向かった。その後、ホテルの部屋でくつろいでから、地下鉄と路線バスを乗り継いで、山頂纜車がある山頂纜車站へ行き、維多利亜公園から「百万ドルの夜景」として知られている香港の夜景を眺めた。帰りにカタヤキソバ(35香港ドル)を食べてからホテルへ戻った。

今回、バンコクにあるタイ人向けの旅行代理店に申し込んだのは、航空券、ホテル、半日無料ツアー付きのプランで、ひとりあたり11,000バーツだった。ツアー代金を含む全旅費のうち、友人が自分のぶんは自分で支払うと言っていたので、きょうは講義を1日欠席して、3泊4日の香港旅行へ出かけることにした。

ところで、マスターカード・インターナショナルが、興味深い調査結果を公表している。アジア太平洋地域にある13の国と地域における女性の社会進出の度合いについて、雇用市場への参加、学歴、管理職の割合、平均収入の4つの指標を数値化した「女性の社会進出度調査」によると、1位がタイ(男性を100とした場合92.3)、2位がマレーシア(同86.2)だった。この調査からも分かるように、タイ人の女性には男性とほぼ同等の社会的・経済的な能力がある(ちなみに日本人女性は54.5だった)。

一部の日本人たちのあいだでは、タイ人の恋人に対する仕送りについて、しばしば話題に上っているようだが、中流のタイ人女性たちの経済力を侮ってはいけない。実際に、バンコクに住んでいる独身の日本人現地採用者世帯(平均40,000バーツ×1)と、既婚のタイ人中流世帯(平均24,000バーツ×2)の月間所得を比較すると、それほど差がないどこか、むしろタイ人の中流世帯のほうが収入は多いことが分かる。

一般的なタイ人の女性であれば、他人からの仕送りに頼らなくても十分に生活をしていくことができるため、タイ人の彼女に仕送りをしていると公言することは、いわば就労する能力がない特殊な女性と交際していると自己申告しているようなものだ。実際にその「仕送り」の背景について詳しく調査をしてみると、お気に入りの娼婦に売春をやめさせて、自分ひとりで独占するための所得保障として支払われているケースが多く、この傾向は特にタイに関する習熟度の低い日本人のあいだでよく見られる(なぜなら、ある程度タイの社会について正しく理解できている人であれば、仕送りなんかしたところで、どうせその娼婦を自分ひとりで独占することなんてできるわけがないと知っているからだ)。

標準的なバンコクの若者たちは、自分の両親に対して仕送りをすることはあっても、他人に対して自分に仕送りをするように要求することはない。もし仮に仕送りの提案をしたところで、どうせタイ人のほうから拒否されるだろう。なぜなら、彼ら/彼女たちには、海外旅行を楽しめるだけの経済的なゆとりがあるのだから。

ABOUTこの記事をかいた人

2001年に金融機関の社内SEを辞めてタイへ渡り、タイ国立ヂュラーロンゴーン大学文学部が開講している外国人のための集中タイ語講座、インテンシブタイ・プログラムを修了しました。その後、アメリカ・ロサンゼルスにおける語学留学を経て、2006年にヂュラーロンゴーン大学大学院の東南アジア研究科修士課程を修了。以来、機械部品商社の海外営業、生産設備商社の海外営業を経験し、現在は機械メーカーの国内営業部門で海外現法向けの部品輸出を担当しています。