「非日常」はどこにあるのか? 前編

「六本木のクラブとかでも、踊り方にかなりのクセがあるから、タイ人がいるとすぐに分かるんだよね」

夜、スクンウィット23街路にある Narcissus Club で、バンコクへ遊びに来ているロサンゼルス留学時代の友人が言った。よくよく観察してみると、確かに変わっている。農村部の出身者が多いこの店だけを見て結論を出すわけにはいかないが、明らかに腕の肘から先の動きがタイ東北部のモーラムダンス(田舎踊り)の影響を強く受けていると分かる。

バンコクにおけるクラブシーンについて、先月の日記では、「階級社会との親和性が高い『ハイソ』というイデオロギーのもとで、閉鎖的グループがタイポップスやヒップホップを聞きながら一体感を強めていくための場所」と説明し、そのなかで「あたらしい出会いやダンスをすることを目的としてやって来ているタイ人なんてほとんどいない」と強調した。

バンコクのパブでフツウに振る舞う

2005.06.25

階級社会に生きる その3 クラブシーンの社会学

2005.06.11

Narcissus Club で流れている音楽は、プログレッシブハウスやトランスが中心で、バンコク都内のタイ人が行くようなパブにはないエントランスフィーもあった。エントランスフィーとして500バーツかかるが、入場券には3杯分のドリンク引換券が付いてくる。女性客の年齢層が24歳~40歳であったのに対し、男性客のほとんどが外国人で年齢層も35歳~50歳と高かった。それだけに、メーバーン(清掃婦)のような冴えない風貌の女性を連れている日本人の姿も店内のあちらこちらに見られた。

午後、ヂュラーロンゴーン大学の文学部ボーロムラーチャグンマリー館へ行ってミャンマー研究の講義に出席してから、スィーロム通りにある珈琲屋 Bug and Bee にいる友人と合流した。その後、地下鉄のスィーロム駅でタイに遊びに来ているロサンゼルス留学時代の別の友人たちと待ち合わせ、およそ3年ぶりにスクンウィット23街路にある Narcissus Club へ繰り出した。さらにその後、スクンウィット13街路にある住まい Sukhumvit Suite の前で高校時代の友人と再会し、日本から持ってきてもらった当面の仕送り50万円を受け取った。

今回は、タイの文化を知らない日本人をタイ的なクラブシーンに連れて行っても楽しんでもらえないと考え、バンコクにおけるクラブシーンの一例として Narcissus Club をロサンゼルス留学時代の友人たちに紹介した。

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  • yoyo

    ナルシサスですか、、、。あそこは薬の巣窟ですね。
    2回行って止めましたが今はどうなんでしょうか?
    スクンビットという場所であれだけ大っぴらに売人がいるところもめずらしいなと思ってたら、側のQbarはよく手入れが入るようで。

    タイではおいしいお酒を飲むのに苦労する場所だと思います。知人が京都でバーをやっているのですが、氷の使い方も解ってないと嘆いていました。

    ところでふと気づいたのですが、タイ人がよく飲んでるカクテル?はと考えたのですが、バカルディーのカクテル瓶なんかを除くと、俗に言うハイボール(ウイスキー+ソーダ)だったんですね。

    最近日本でもお洒落な立ち飲み屋も出来てハイボールも見直されているようですけど、バンコクではまだまだお酒自体を味わって飲むという行為は難しいのかもしれません。

    バンコクでちゃんとしたクラブという形態を最初に取った店といえば恐らくシーロムのSPEEDになるのかもしれません。

    経営者は日本人らしいですね。

    数年前JOEYBOYがパーティーをよく開いていたのを思い出します。

  • yoyo

    ナルシサスですか、、、。あそこは薬の巣窟ですね。
    2回行って止めましたが今はどうなんでしょうか?
    スクンビットという場所であれだけ大っぴらに売人がいるところもめずらしいなと思ってたら、側のQbarはよく手入れが入るようで。

    タイではおいしいお酒を飲むのに苦労する場所だと思います。知人が京都でバーをやっているのですが、氷の使い方も解ってないと嘆いていました。

    ところでふと気づいたのですが、タイ人がよく飲んでるカクテル?はと考えたのですが、バカルディーのカクテル瓶なんかを除くと、俗に言うハイボール(ウイスキー+ソーダ)だったんですね。

    最近日本でもお洒落な立ち飲み屋も出来てハイボールも見直されているようですけど、バンコクではまだまだお酒自体を味わって飲むという行為は難しいのかもしれません。

    バンコクでちゃんとしたクラブという形態を最初に取った店といえば恐らくシーロムのSPEEDになるのかもしれません。

    経営者は日本人らしいですね。

    数年前JOEYBOYがパーティーをよく開いていたのを思い出します。

  • 基本的に「娼婦のいるところに麻薬あり」といった雰囲気ですので、ヤーバーやヤーイーくらいならありそうですね。それにトランス系クラブは若者向け飲み屋「パブ」の登場による影響をほとんど受けていないようですので、おそらく5年くらい前のバンコクの雰囲気が(勢いは衰えたでしょうがある程度)残されているクラブだと言えるかもしれません。実際にバンコクのトランス系クラブを麻薬と直結させて書いているウェブサイトもあるので、もしかしたら・・・役に立つかもしれません。きっと、そういうところなのでしょう。

    タイ人向けのクラブシーンでは、主にウイスキー+[水/ソーダ/コーラ]といった組み合わせで飲まれることが多いようです。ただし、長居をしない客はこの限りではなく、ビールやカクテルで済ますこともあるようです。タイではウイスキーがハイソっぽくて恰好いいもの、ビールが労働者階級的なものでヘボイものといった感覚で捉えられているということほかにも、彼らの味の好みの違いといったものも複雑に関わってきています。したがって、酒の飲み方を「文化の成熟度」というはかりを用いて論じることは困難だと思います。「アメリカの食卓は旧態依然として健康的な日本食が主流になっていない。アメリカの食卓が日本料理で埋め尽くされるまでにはまだまだ時間がかかりそうだ」という論理と同じになってしまいます。

    シーロム4の Speed は今ではすっかり話題にあがらなくなってしまいましたね。3年ほど前に一度行ったことがあるのですが、西洋系外国人や西洋系外国人が好きなタイ人が集結していたのを覚えています。確か西洋系クラスメートもこの店で回したことがあると話していました。 Speed は今から約10年ほど前に営業を開始し、1997-2000年にかけてタイにおけるクラブカルチャーの「主流」を作り出すクラブになるのではないかと言われるほどの勢いがあったそうですが、今では言葉通りのサブカルチャーそのものになってしまったようです。もしかしたら、ここへ行けばディープな何かを発掘できるのかもしれませんが、そう言った情報は現在のところ僕の耳には入ってきていません。オーナーが日本人だということもあって一部の日本語フリーペーパーなどには好意的に取り上げられることもあるようですが、この3年ほどタイ人の口からシーロム4ネタを聞いたことがないので主流から外れていることは間違いありません。レコード会社に対するコネクションは依然健在のようですが、2005年現在このクラブがタイ人の間でどういった位置づけにあるかについては不明です。

  • 基本的に「娼婦のいるところに麻薬あり」といった雰囲気ですので、ヤーバーやヤーイーくらいならありそうですね。それにトランス系クラブは若者向け飲み屋「パブ」の登場による影響をほとんど受けていないようですので、おそらく5年くらい前のバンコクの雰囲気が(勢いは衰えたでしょうがある程度)残されているクラブだと言えるかもしれません。実際にバンコクのトランス系クラブを麻薬と直結させて書いているウェブサイトもあるので、もしかしたら・・・役に立つかもしれません。きっと、そういうところなのでしょう。

    タイ人向けのクラブシーンでは、主にウイスキー+[水/ソーダ/コーラ]といった組み合わせで飲まれることが多いようです。ただし、長居をしない客はこの限りではなく、ビールやカクテルで済ますこともあるようです。タイではウイスキーがハイソっぽくて恰好いいもの、ビールが労働者階級的なものでヘボイものといった感覚で捉えられているということほかにも、彼らの味の好みの違いといったものも複雑に関わってきています。したがって、酒の飲み方を「文化の成熟度」というはかりを用いて論じることは困難だと思います。「アメリカの食卓は旧態依然として健康的な日本食が主流になっていない。アメリカの食卓が日本料理で埋め尽くされるまでにはまだまだ時間がかかりそうだ」という論理と同じになってしまいます。

    シーロム4の Speed は今ではすっかり話題にあがらなくなってしまいましたね。3年ほど前に一度行ったことがあるのですが、西洋系外国人や西洋系外国人が好きなタイ人が集結していたのを覚えています。確か西洋系クラスメートもこの店で回したことがあると話していました。 Speed は今から約10年ほど前に営業を開始し、1997-2000年にかけてタイにおけるクラブカルチャーの「主流」を作り出すクラブになるのではないかと言われるほどの勢いがあったそうですが、今では言葉通りのサブカルチャーそのものになってしまったようです。もしかしたら、ここへ行けばディープな何かを発掘できるのかもしれませんが、そう言った情報は現在のところ僕の耳には入ってきていません。オーナーが日本人だということもあって一部の日本語フリーペーパーなどには好意的に取り上げられることもあるようですが、この3年ほどタイ人の口からシーロム4ネタを聞いたことがないので主流から外れていることは間違いありません。レコード会社に対するコネクションは依然健在のようですが、2005年現在このクラブがタイ人の間でどういった位置づけにあるかについては不明です。

ABOUTこの記事をかいた人

バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。