約束を断るときには

20040909c

「とりあえず、最初のうちは『あとで行く』と答えておくの。そうしてジリジリと引き延ばしておいて、最後に『やっぱりムリ』と宣言すれば確実に断ることができるわ。夜遅くになれば、『危険で行けない』とか、いろいろな言い訳が使えるようになるから」

スクンウィット5街路にあるスーパー Food Land 2階のタイ料理屋で、タイ人の友人たち3人と夕食をとっていたところ、そのうちのひとりがなかなか巧妙なことを話していた。タイ版国民国家論の Siam Mapped の著者であるトングチャイ・ウィニッヂャグンが「曖昧さを重んじる文化」と表現していたように、タイには他人の事情についてあまり詮索してはいけないといったルールがある。しかも、バンコクでは強姦などの女性を狙った事件も少なくないため、深夜の外出を無理強いするのは難しい。

逆の立場になって考えてみれば、もし自分が相手からの回答を引き延ばしにされていたら、それはすでに拒否されることが確定していると考えて、ほかの予定を入れるなどして身構えておくべきだろう。

この友人は今晩、友人の友人のグループという、自分とはちょっと縁遠い人たちと、ラッチャダーピセーク4街路にあるパブ街へ遊びに行く約束をしていたという。しかし、雨季の大雨のなか、親しくもない友人たちに会いに行くのが億劫になってしまったらしい。

僕自身も、あまり気乗りしないときには ขอคิดก่อน(ちょっと考えさせて)と答えるようにしている。ときどき「それってNOってことでしょう?」と突っ込まれるときもあるが、それでも拒否の態度を明確に示すことなく、同じ相手から同じ質問を繰り返されるのも回避できるため重宝している。

ABOUTこの記事をかいた人

2001年に金融機関の社内SEを辞めてタイへ渡り、タイ国立ヂュラーロンゴーン大学文学部が開講している外国人のための集中タイ語講座、インテンシブタイ・プログラムを修了しました。その後、アメリカ・ロサンゼルスにおける語学留学を経て、2006年にヂュラーロンゴーン大学大学院の東南アジア研究科修士課程を修了。以来、機械部品商社の海外営業、生産設備商社の海外営業を経験し、現在は機械メーカーの国内営業部門で海外現法向けの部品輸出を担当しています。