タイの私立大学へ3年次編入を計画する

タイにおける国立大学の入学試験(エントランスと呼ばれる統一試験)は毎年3月の上旬に実施されている。セブンイレブンの雑誌コーナーには、その試験で希望する国立大学へ進学できなかった高校生たちのために、私立大学の入学願書セットが200バーツで販売されており、出願書類のほか、講義概要(シラバス)や学部紹介の冊子が同封されている。

今回入手できたのは、グルングテープ大学(バンコク大学)とスィーパトム大学の2冊だった。

タイの私立大学は、新入生の数に対して卒業生の数が極端に少ない。つまり、入学できたところで、卒業できるとは限らない。友人によると、タイの3大私大のひとつであるグルングテープ大学の工学部電子工学科のケースでは、新入生のうち無事卒業できるのは全体の3割ほどしかいないという。一方、下位私大のスィーパトム大学は、成績不良により上位私大から放校されてラングスィット大学などの中堅私大に移った学生が最後の最後に漂着する場所という位置づけにあるといわれている。

 

昨晩、パッタヤーのリゾートホテルで友人とテレビを見ていたところ、偶然グルングテープ大学のCMが放映されていた。これを見れば、すべての日本人が日本以上に充実している施設の数々に仰天するに違いない。それについて友人がこのように説明してくれた。

「グ ルングテープ大学といえば、やっぱりマスコミ学部よね。見たでしょう? 贅の限りを尽くした豪華なスタジオを! タイ広しと言えども、これだけの機材を備えている大学はほかにないわ。それと、去年ラングスィット校舎に完成したばかりの新図書館『スラット・オーサターヌクロ』は、名門私大としての誇りよ。今度のタームペーパーで文献に困るようなことがあったら、絶対に連れて行ってあげるからね!」

ヂュラーロンゴーン大学をはじめとする国立大学の中央図書館は、施設・蔵書数ともに貧弱を極めているため、グルングテープ大学の新図書館に学生たちの期待が集まっている。とはいえ、電子工学や経営学の分野なら最強かもしれないが、文学や芸術の分野では鳴かず飛ばずのグルングテープ大学に「東南アジア研究」のようなマニアックな分野の専門書があるとは到底考えられない。

今回の資料集めは、もともとタイの私立大学へ3年次編入するための計画の一環として行っていたものだが、タイの4年制大学を卒業することに労力ほどの意義を見出すことができなかったため、計画そのものを中止した。

タイにおける私立大学の社会的な位置づけ

2005.12.26

願書にあった各大学の授業料の詳細はつぎのとおり。

グルングテープ大学(バンコク大学)
1学期あたりの学費: 29,300バーツ(概算)

授業料1,200バーツ/単位(経営学部・理工学部・工学部・報道学部の専門科目で1,400~1,500バーツ。芸術系科目で2,500バーツ。経営学部の場合、卒業までに一般教養科目30単位、必修演習科目57単位、必修専攻科目21単位、選択専攻科目12単位、自由選択科目12単位の最低132単位を取得し、かつ平均評定が2以上でなくてはならない。)各種施設維持費2,900バーツ/学期(教育維持費1,000バーツ、図書館維持費500バーツ、医務室維持費200バーツ、スポーツ施設維持費500バーツなど。)特殊施設維持費(報道・芸術系科目を履修した場合に追加となる利用料。芸術室1,000バーツ、ワークショップ1,000バーツ、コンピューター1,500~3,000バーツ、学外学習1,500バーツ、演劇舞台利用料1,500バーツ、ラジオ放送室利用料2,000バーツ、テレビ放送室利用料2,500バーツ、新聞雑誌演習室1,500バーツなど。)入学試験受験料300バーツ、入学金500バーツ、学生登録費2,000バーツ、学部転籍手数料500バーツ/回、休学時学籍維持費500バーツ/学期、学生証発行・再発行手数料300バーツ、損害保険費1,000バーツ、成績証明書発行手数料20バーツ、その他証明書発行手数料10バーツ、通信技術関連費用1,000バーツ/学期

スィーパトゥム大学
1学期あたりの学費: 18,512バーツ(概算)

授業料800~2,800バーツ/単位(人文社会学部・報道放送学部の一般科目800バーツ、商学・経営学・経済学900バーツ、秘書論・ホテル観光経営論・社会開発論900バーツ、ホテル観光経営論演習1,200バーツ、報道放送論1,000バーツ、報道放送論演習1,800バーツ、外国語1,000バーツ、化学・数学一般科目1,200バーツ、理学1,500バーツ、情報学1,600バーツ、建築学2,000バーツ、芸術概論1,500バーツ、デジタルアート2,000バーツ、デジタルアート演習3,000バーツ、工学1,800バーツ、電子工学1,600バーツ、インターナショナルプログラム1,600バーツなど。チョンブリー校の場合は700~1,200バーツ。経営学部経営学科の場合、人文社会科目9単位、言語科目12単位、理数系科目9単位、必修専門科目48単位、必修専攻専門科目30単位、選択専攻専門科目12単位、自由選択科目9単位の最低129単位を取得しなくてはならない。)年間授業料3,200バーツ/年、一般学期授業料2,300バーツ/学期、夏期学期授業料1,800バーツ/学期、事故保険200バーツ/年、入学試験受験料200バーツ、入学金500バーツ、損害保険2,000バーツ、学生証発行手数料150バーツ、学生の手引き発行手数料200バーツ/冊、履修登録手数料20バーツ/通、遅延履修登録反則金50バーツ/日、履修登録変更手数料20バーツ/教科、図書返却遅延反則金5バーツ/日、申請書類書式5バーツ、証明書発行手数料30バーツ、休学時学籍維持費500バーツ、休学処分学籍維持費1,000バーツ、成績証明書発行手数料40バーツ、卒業延長申請遅延手数料100バーツ/日、卒業証書発行手数料500バーツ、学士登録手数料500バーツ、同窓会終身会員登録費1,000バーツ

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ABOUTこの記事をかいた人

バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。