溝川ローイクラトング

きょうはローイグラトング。恋人たちが水辺に「グラトング」と呼ばれる灯篭を流しに行く日で、クラスメイトたちも心なしか浮ついているように見えた。

ローイグラトング祭りは、スコータイ朝時代(西暦13世紀~15世紀)からタイに伝わってきた伝統的な祭りで、その起源はインドの民謡まで遡る。旧暦12月の満月の日に催され、人々は色とりどりの花で飾り付けしたバナナの幹にロウソクを立てて水辺に流し、水の精霊に罪の許しを請い、親戚縁者の幸福を祈る。

ところが、タイの若者たちにとっては、ロマンティックな恋人とのデートを夜遅くまで楽しめる両親公認の特別な日となっており、この祭典の本来の意味合いは薄れつつある。

当初、午後の講座「東南アジア価値観論」で、クラスメイトたちと夕食をとってからヂャーオプラヤー川に面しているサンティチャイプラーガーン公園へ行って灯篭を流す予定だった。ところが、講師の体調不良によって、午後の講義もろとも今晩のローイグラトング・ツアーも中止になってしまった。

その知らせを聞いたクラスメイトの一部(僕のように恋人がいない人々)は、急遽、今晩をなんとか見栄えのするものに取り繕う必要に迫られることになった。さらに、参加希望者は名簿に名前と電話番号を書いて提出するように言われていたため、恋人がいないと申告したこと自体が無意味になってしまい、みんなを憮然とさせる結果になった。

夜、高架電車のプローンポング駅前にある日本料理店「本庄」で友人たちと夕食をとっていたところ、会社社長の友人から投資会社のタイ人幹部を紹介してもらえることになり、みんなでペッブリー通りにあるパブ「ギンミック」へ行って、そこからセーンセープ運河にグラトングを流すことになった。午前1時すぎに高架電車のプローンポング駅前にあるベーンヂャスィリ公園で別の友人と待ち合わせをしたが、グラトングを流そうとしたところ灯篭売りの姿はすでになかった。

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ABOUTこの記事をかいた人

バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。