停電のエーガマイ通り

今回のタームペーパー(学期末小論文)は、当初の期限だった9月末までに提出できるようスケジュールを組んで作業を進めてきた。まだ手直しすべき箇所はいくつか残っているが、提出期限が1週間延長されたこともあって時間的な余裕がまだかなりある。もう目の下にクマを作って深夜まで頑張る必要はない。

朝から残りのペーパーを手直しして、日没後に一足早く長期休業に入っている友人から誘われてエーガマイ通りにあるパブへクルマを走らせた。

エーガマイ通りの交通は完全に麻痺していた。きょうはタイ人会社員の給料日直後の週末であるうえに大雨も降っている。しかし、それを考慮に入れても、この渋滞はあまりにも酷すぎる。そう思って、スモーク貼りのサイドウインドウを開けて周囲の様子を見てみると沿道の明かりがすべて落ちていた。

これではとても目的地にたどり着けないと思って引き返そうとしたが時すでに遅し。対向車線にもクルマがびっしりと詰まっている状態で、Uターンするためのスペースが確保できない。信号機も機能しておらず、交差点を無理して右左折しようとしているクルマが道路を塞いでいる。およそ1時間後に友人たちが待っているパブ Zantika に到着した。

Zantika の入口付近も暗闇が支配しており、警備員が懐中電灯を片手に交通整理にあたっていた。きっと落雷のせいでエーガマイの一帯が停電してしまったのだろう。しかし、駐車場にはクルマがたくさん駐まっている。店はまだ営業しているはずだ。僕もそれに習ってクルマを駐めて、店の入口へ向かった。

入口にいる年齢確認係の警備員は僕の運転免許証を一瞥しただけで、すぐに中に通してくれた。こんなにも暗くては、どうせ年齢を確認しようにも免許証の文字など読めるはずがない。

店内の照明をロウソクの弱々しい明かりだけに頼っている薄暗い店内で友人たちと合流した。電力は約1時間半後に復旧し、店にいつもの賑わいが戻った。

大雨が降るとすぐに停電してしまい、なかなか復旧しないバンコクの電力事情。完璧な電力供給はムリでも、なんとか20分以内に復旧できるシステムぐらいは構築してもらいたい。

ABOUT US

ケイイチ
バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。