オーム 教室に潜入

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きょうのプレゼンテーションの準備を午前4時までしていたせいで、目が覚めたのは午前中の講義が始まる午前9時ちょうどだった。眠い目をこすりながら急いで身支度を済ませて、クルマでヂュラーロンゴーン大学へ向かった。

文学部のボロムラーチャグンマリー館にある教室に着いたとき、すでにクラスメイトたちがタームペーパー(学期末小論文)のプレゼンテーションを始めていた。ガラス戸をあけて担当教授にワーイ(手を合わせる)の挨拶をしたが、あまりの眠さに自分の目の焦点が定まらず、薄暗い教室の中の状況が今ひとつ把握できなかった。それでもなんとか空いている席を見つけ、倒れこむようにして着席した。

けさ未明、きょうのプレゼンテーションで使う Powerpoint の資料を作ってからすぐに寝てしまったため、まだスペルや文法のチェックが終わっていない。それらの確認を自分に順番が回ってくるまでのあいだに済ませてしまおうと、クラスメイトたちのプレゼンテーションを聞きながらノートパソコンを開いて作業に没頭した。そして、ふと顔を上げて教室内を見渡してみると、いままで教室内で見たことのない学生の姿があった。

オームだった。ヂュラーロンゴーン大学ではまだ珍しい明るい栗色の頭髪と見慣れた横顔。3日前に交際を始めたばかりの文学部フランス語専攻のオームに間違いない。

(よりにもよって、なんでこんな日に、どうして大学院のクラスに参加いるんだ!?)

僕は世の理不尽を呪いながら教壇へ向かい、そして与えられた課題をそつなくこなすことだけを考えてタームペーパーの内容を簡単に要約したプレゼンテーションを始めた。

ABOUTこの記事をかいた人

2001年に金融機関の社内SEを辞めてタイへ渡り、タイ国立ヂュラーロンゴーン大学文学部が開講している外国人のための集中タイ語講座、インテンシブタイ・プログラムを修了しました。その後、アメリカ・ロサンゼルスにおける語学留学を経て、2006年にヂュラーロンゴーン大学大学院の東南アジア研究科修士課程を修了。以来、機械部品商社の海外営業、生産設備商社の海外営業を経験し、現在は機械メーカーの国内営業部門で海外現法向けの部品輸出を担当しています。