郊外の大部屋カラオケ

大部屋カラオケはハプニングの震源地だ。

夜、ブワをヂャランサニットウォング32街路にある実家まで送り届けてから、スクンウィット13街路にある住まい Sukhumvit Suite 17階の自室でビール片手に論文を読んでいたところ、サムットプラーガーン県に住んでいる友人から電話があって飲み会に誘われた。このような誘いは毎晩のようにある。そこで今晩は気分転換を兼ねてクルマを運転して北サムローング通り(スクンウィット113街路)へ向かった。

今晩のメンツはタイ人の男友達とその彼女、それから初対面の女性の合計4人。友人が経営しているインターネットカフェで合流して、スクンウィット107街路にある大部屋カラオケ屋へ移動した。この店はタイでは珍しくホステスがいないカラオケ屋で、出入口の横にあるスクリーンにはカラオケの画面が投影されている。

午後10時から閉店時間の午前2時10分までの約4時間を、僕たちはほとんど会話を交わすことなく、終始スクリーン画面に食い入って歌い続けていた。先日のウィアングヂャン旅行で慣れたせいか、泥酔状態でも字幕のスピードにはついていけた。こういった店にあと何回か通えば、マイク片手にリクエストを連発できるようになるかもしれない。

閉店時間直前にオカマ3人組がダミ声でブワチョンプー・フォードの อย่าทำให้ฉันรักเธอ(留学生日記2004年3月30日参照)を歌いながら、マイクの一つを隣のテーブルにいる男に押しつけて、あろう事かグワーング(AB Normal)のパートを歌わせていた。この曲の男性パートは「マジでお前が好きなんだ!」の連続。新手のナンパなんだろうか? 不本意にもオカマにラブコールを送り続ける羽目になってしまったこの不幸な男性客に、店内からは大きな拍手が沸いた。

結論。カラオケにはホステスなんか必要ない。特に日本人向けのカラオケスナックにいるような話術が低く魅力もないような女性に密着して座られてもただただ暑苦しいだけで良いことなんて何もない。周囲のカラオケ客と叫んでいるほうがストレスを発散には効果的だ。

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ケイイチ
バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。