タイ籍自家用車のラオスへの持ち出し要件(ウィアングヂャン・ビザ更新旅行1日目)

日の出前にノーンカーイ県庁の庁舎近くの路上で長距離バスから降りて、トゥクトゥクでラオスとの国境があるタイ・ラオス友好橋へ向かった。今回はオーバーステイしているので出国審査窓口の隣にある入国管理局へ直行して過料の400バーツ(オーバーステイ2日分)を支払った。

せっかくの機会なので、入国管理官にタイで乗っているクルマをラオスへ持ち出す方法について尋ねてみた。職員たちの説明はことごとく矛盾していたが、そのなかの一人が戸棚からパンフレットを持ってきて、上長たちの話とは異なる信じるに足る話を聞かせてくれた。

それによると、タイのクルマを国外に持ち出すためには、所管の運輸局(ワッタナー区の住民はスクンウィット101にあるバンコク第3運輸局事務所)へ行って、หนังสืออนุญาตรถระหว่างประเทศ(International Transportation Permit)を取得する必要があるという。発行には数日かかるそうなので事前の申請が必要だ。申請に必要な書類はつぎのとおり。

หนังสืออนุญาตรถระหว่างประเทศ(国際通行証)の申請に必要な書類

  1. หนังสือรับรองการตรวจสภาพรถ(車検証)
  2. ใบอนุญาตเป็นผู้ขบรถที่แปลเป็นภาษาอังกฤษ(英訳された運転免許証)
  3. สำเนาหรือภาพถ่ายหนังสือแสดงการจดทะเบียนรถ หรือใบคู่มือจดทะเบียนรถ(自動車登記簿または自動車登録票の写し)
  4. สำเนาหรือภาพถ่ายใบอนุญาตประกอบการขนส่งระหว่างประเทศ (ถ้ามี)(もしあれば国際免許証の写し)
  5. 国民IDカードまたはそれに代わる身分証の写し(法人の場合は法人登録している自動車登記証明書の写し)
  6. หนังสือมอบอำนาจ (กรณีมิได้มาดำเนินการด้วยตนเอง)(本人が申請しない場合は委任状)

また、タイの運輸省が発行する国際運転免許証の申請に必要な書類は、①運転免許証もしくはそれに代わる書類と1インチの写真2枚、②写真付きのパスポートまたはそれに代わる書類と③申請書類の3つ。クルマを外国に持ち出すのは自動車登記簿に記載されている所有者本人に限られており、それ以外の人物が持ち出すことはできない(お問い合わせは、ノーンカーイ県運輸局運輸課 +66-4242-1473 まで)。

ラオス入国後、その足で在ウィアングヂャン・タイ大使館領事部(受付時間午前8時半から11時)へ行って教育ビザ(2,000バーツ)を申請し、市内にある中級ホテルDay Innにチェックインした。ホテル近くにある外国人向けのパブ「ラーンアーハーン・コープヂャイデュー」で遅めの昼食をとり、そこで働いているラオス人店員と一緒にメーコーング川沿いの屋台へ行って夕食をとり、ホテルNovotelの1階にあるディスコへ繰り出した。そこで知り合ったラオス人客に現地ビール「ビアラーオ」をおごってもらい、みんなで法定閉店時間の午後11時まで踊り続けた。さらに1日200バーツでレンタルしたバイクでホテルに戻る途中に、韓国車を運転しているラオス人女性に逆ナンされて、タイのポップミュージックが流れている大部屋カラオケ屋へ向かった。

現地ラオス人のナマの言葉。

「どこに秘密警察がいるか分からないから大声では言えないが、俺はラオスの社会主義政権が大キライだ。社会主義の思想そのものは悪くないが、現在のラオス社会主義政権は政府高官の利益を図ることだけに興味を示していて、人民のことなど少しも考えていない。ラオスは王政を復古させるか、もしくは民主化するべきだろう。こんなことを続けていては永遠に発展できない」

「ラオスの若者世代は、タイ語のライティングはできないが、リスニングぐらいならある程度できる。地方の貧しい村でも同じような状況で、タイ語はテレビ放送を通じてラオス全土に浸透している」

「ラオス人はタイポップスをこよなく愛している。でも、誰もがタイ語とタイ人を嫌っている。タイ人はラーンサーング朝の版図を奪い、それが今日のラオスにおける貧困の一因となっている」

「極めつけは1年ほど前にテレビ放映されたタイの時代劇ドラマ『ニラートソーングポップ』(留学生日記2002年10月15日)だ。テレビドラマを通して、ミャンマー人を敵対視させることで自国民の愛国心を鼓舞しようという世論操作の意図が明らかに見て取れた。ほかの番組でもラオス人を蔑視する言動が多く、そいういった根性がどうしても好きになれない」

「タイ人は常にラオスを見下している。こういった態度をとらない日本人に対しては敬意を払うべきだ」

「ラオス人の平均的月収は2,500バーツ程度といわれているが、地方へ行けば貨幣経済など存在しないに等しい。地方に住んでいるラオス人は自給自足の気ままな生活を送っているし、俺の月給は1,000バーツにすぎない。この国では110ccの原付を運転するだけで『イケてる男』の仲間入りができる」

ちなみに、僕たちに声をかけてきた韓国車に乗っているラオス人女性が開口一番に放った言葉。

「あの男、タイ語もしゃべってるし・・・・・・」

彼女たちは僕が日本人であることに最後まで気づかなかった。片言のタイ語しか話せないラオス人にとっては、僕程度のタイ語でもネイティブのタイ語のように聞こえるんだろう。そのせいで、せっかく現地で逆ナンされたというのに何も得られなかった。