昼すぎ、 Siam Discovery Center 4階の Starbucks Coffee で、クラスメイトと今学期の履修科目について話し合っていたところ、友人(日本人女性)から電話があった。バンコク都心部にオフィスを構える日系企業の現地法人に内定したという喜びの知らせだった(月給21,000バーツ)。
バンコクで働く日本人女性現地採用者について、バンコク発行の日本人向け女性月刊誌 pomelo(4月号, Quest Media 刊)がおこなった実態調査によると、内定の決め手になったのは、タイ語力(87%)、英語力(79%)、職務経歴(53%, 複数回答)。理想の収入は平均62,000バーツだが、実際の収入は30,000-35,000バーツ(32%)、45,001-50,000バーツ(26%)、35,001-40,000バーツ(21%)、40,001-45,000バーツ(13%)、30,000バーツ未満(8%)の順。うち、労働許可証発給要件(外国人職業規制法, 月給60,000バーツ以上, 2006年から月給50,000バーツ以上に緩和された)を満たしている回答者は皆無。約4割が不法就労を強いられており、のこりの6割も給与を偽装して労働許可証を受給している。賞与については、66%がゼロと回答。年1ヶ月14%、年2ヶ月30%。バンコクでのキャリアが日本帰国後の再就職に役立たないと考えている回答者は、なんと33%にものぼった。
日本人である以上、誰もタイで働くことは強制されない。本人の自由意志でわざわざタイにまでやってきて、本人の自由意志でフリーター同等の低賃金で働くことを選び、そうすることで本人が希望しているタイでの生活を満喫できてるんだからイイじゃないか! 不満に思う方がオカシイ。僕は常々そう考えているが、この記事の随所に厳しい現実を屁理屈で正当化しようという編集者たちの屈折した根性が見え隠れしており、読み進めていくうちに次第に気分が悪くなっていった。
このような屁理屈は、雑誌やフリーペーパーだけでなく、タイ関係のほとんどのウェブサイトで大腕を振ってまかり通っている。ところで、どのような思考プロセスを経て、自らの苦境をそのように正当化しているんだろうか。僕には屁理屈だけで苦境から立ち直れるような秘技なんてないし、月々100,000円程度の賃金では今回の留学資金すら回収できないから、バンコクで現地採用として働くことなど到底考えられない。
人材紹介会社 JAC Japan (本社:東京都千代田区)発行の小冊子「東南アジア・中国、転職・就職情報」によると、タイにおける現地採用の求人は、①製造業関係(メーカー、販売会社、機械・素材商社)やサービス業(物流、 IT、旅行会社など)がほとんどで、②都市部では営業職やカスタマーサービス職、地方ではエンジニアや工場管理マネージャー職の求人が多い。③現地採用者には日本人駐在員とタイ人スタッフとの橋渡し役が求められており、④多転職者は書類審査で落とされる。⑤待遇は一般的に製造業の営業職で40,000バーツから、旅行・出版業のサービス職で30,000-80,000バーツ、事務や秘書などのサポート職で40,000-60,000バーツ、工場勤務で40,000-60,000バーツ(ただし部長級なら60,000-150,000バーツ)で、ボーナスはそれぞれ0-2ヶ月。⑥住宅手当や交通費は支給されず(ただし給与に含まれていたり送迎バスなどがある)、⑦日本国の公的福祉(社会保険, 社会保険, 生涯年収+4,000万円程度に相当)の恩恵を受けることはできない。
いずれにせよ、今回の内定は、友人にとってはウレシイ知らせだ! 大好きなタイで暮らしたいという姿勢で働くのなら、僕も積極的に応援したい。
ところで、バンコクには「割安な性風俗に通う」ことだけを目的に、現地採用として働いている奇特な日本人がたくさん住み着いている。ところが、あの程度の経済力(月々40,000バーツ程度)では、彼らが本来目的としているソープランド通い(2時間1,800バーツ程度)すら満足にできず、不本意で本末転倒な末路をたどるのが端から目に見えている。まったく、彼らがいったい何を考えているのか、不思議でならない。
朝、タイ研究科の講座「タイ舞台演劇論」に出席し、昼の時間をサヤームの Starbuck Coffee で過ごした。夜、足つぼマッサージ屋 Mr. Foot で台湾式足ツボマッサージ(1時間350バーツ)を受けながら、女性週刊誌 pomelo を読んだ。その後、フワイクワーング交差点付近にある日本風料理屋でラーメンともグワイッティアオとも言い難い謎の劇マズラーメン(35バーツ)を食べ、喫茶店に移動して午前零時までフラペチーノと水だけで居座り続けた。