タイ最高級ホテル「オリエンタル」噂の真相を垣間見る(両親のバンコク訪問4日目)

「イヤな気分になりたくなければオリエンタルホテルには行くな。あそこはアジア系の客を徹底的に差別している。従業員の態度はひどいし、日本人とはいえどもアフタヌーンティーのときに窓側の席に座らせてもらうのはまず期待できない。値段が高いだけの単なるムカツク古ぼけたホテルだ」(大手素材メーカーの日本人駐在員)

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ホテルThe Oriental(92.40 points)は、プラヂュラヂョームグラーオ (ヂュラーロンゴーン大王, ラーマ5世) の治世、西暦1876年に開業したタイで初めての西洋風ホテルで、長年にわたって有力旅行誌から「タイ最高のホテル」に選ばれてきた。日本でもテレビのタイ特集番組の影響もあって高い評価を受けているが、現在では世評を反映してかすでにPeninsula Hotel(94.03 points)に逆転され、Conrad Hotelなどからの猛追にもさらされている。宿泊料金は旅行代理店レートで1泊340ドル~380ドル。

僕もその例に漏れず、昨晩非常に不愉快な目に遭った。タイ人のフロント係にそれぞれ異なる二つの指示(①僕の両親が泊まっている部屋の鍵を出せ、②すでに予約を入れてある僕の部屋のチェックイン手続きをしろ)を同時に出したところ、驚くべきことに「同時に二つもの指示をするオマエが悪い」という内容の皮肉を言われた。あまりのことに唖然としながらも、「それでしたら、まずはあなたにご面倒をおかけしたことをお詫びします。今後はあなたの上司と直接話し合いますから気になさらないでください」と応じた。そこに日本人職員がタイミング良く現れ、業務はフロント係から引き継がれた。

そこで疑問に思った。なぜタイ人職員の態度があそこまで横柄なのかということを。そして、なぜ日本人職員の態度があそこまでまともなのかということを。このコントラストはあまりにもかけ離れすぎている。

日頃から見知っているタイ人の行動パターンをふまえて、僕はつぎのような仮説を立てた。

タイ人のホテルマンにとって、ホテルThe Orientalで働いているということは、極端な階級社会であるタイ人社会(タイを語るときにこの概念は絶対に外せない)では「非常に優秀で、頂点を極めた給与所得者」という位置づけになる。したがって、優秀な労働力であるとの自負がある彼/彼女らとしては、自らの誤りを認めることなんて決してできないだろうし、「その他一般ピープル階級」の宿泊客に対して態度が横柄になりがちになるのも容易に想像できる。特にアジア系宿泊客のほとんどは英語が達者ではないから、ホテルの従業員には「教養のない無能者」と映るのかもしれない。だから、このホテルでは英語を母国語とする西洋人が優遇され、逆にアジア系が差別的な待遇を受けることになっているのではないか。

一方で、日本人ホテルマンは大変な苦労を強いられているはずだ。彼らは最高級ホテルとはいえ、発展途上国のホテルで働いているという苦い自覚があるはずだから、タイ人従業員のように勘違いをした振る舞いなど到底できないだろう。しかも、これだけ悪い噂が立っているのだから、苦情の数も相当あるはずで、もしかしたら今頃はタイ人従業員が引き起こした問題の火消しに目の回る思いをしているのかもしれない。

こうしたことをふまえて考えてみると、「アジア系宿泊客が差別的な待遇を受けている」という噂は、マネジメントの問題ではないということになる。

「私もホテルの従業員の『思い上がり』というものをひしひしと感じたわ」

僕たちがホテルに戻ってくるまでの約2時間をホテルのロビーで過ごしていたブワも、似たような感想を持ったという。

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この事件の影響か、本来正午であるはずの僕のチェックアウト時刻が午後6時まで延長され、チェックアウト直前までプールで泳いでいたところ、日本人従業員の配慮によりさらに午後7時まで再度延長された。

きょうはスクンウィット13街路にあるコンドミニアム Sukhumvit Suite 17階の僕が住んでいる部屋を両親に見せてから、スラサック駅前にあるスパ「ヘルスランド・サートーン」へ行ってオイルマッサージを受け、午後4時頃 にThe Oriental へ戻ってきた。

その後、待ち合わせていたブワとホテル付属のプールを楽しんでから、両親をクルマでバンコク・ドーンムアング国際空港まで送り届けた。

今回は日本にいる友人の紹介で、ホテルThe Orientalに格安で泊まることができた。これに伴う費用はつぎのとおり。

今回の宿泊料金
Delight Rate at Mandari 7339.00 / Svc Charge – Room 733.90 / Tax – Room 564.98 / Tel – Local Call 9.00 / Verandah – Breakfast 918.06 / Refreshment 110.00 / Balance 9674.94 / Vatable 9042.00 / Vat 7% 632.94 / Total 9674.94

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ABOUTこの記事をかいた人

バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。