2004年4月

カンボジア

アンコールワット

カンボジア遺跡のなかでも最も壮麗で歴史的価値が高いとされているアンコールワットへ向かった。毎年、ここを多くの日本人観光客が訪れるというが、実際に行ってみると噂ほどではなかった。第1回廊にインド古代の叙事詩「マハーバーラタ」と同じインド古代の叙情詩「ラーマヤナ」の壁画が描かれているほかには、これまで見たたくさんの遺跡と基本的に何も変わらない。

カンボジア

政府開発援助とその意義

アンコールワットでは現在、大規模な修復工事が行われている。その前を通りかかったときに、カンボジア人ガイドが「これは第二次世界大戦時に日本国が東南アジア諸国の人々を苦しめたことに対する補償の一環として行われているものです。日本政府はカンボジアに年間10億ドル規模の無償資金援助を行っています」と説明した。

カンボジア

考古学とは男たちのロマンのことか

考古学とは、正体不明な遺跡を前に、同年代に書かれた他国の文献を参考にして、なんとなく辻褄を合わせながら、男たちが過去に思いを馳せる歴史物語のことなのか? 日本人として、豊富な史料に裏打ちされた歴史を学んできたせいか、このように根拠の薄い仮説や伝説を聞かされ続けるのはあまりにも苦痛だ。

カンボジア

カンボジアの社会基盤

幹線道路に架けられている橋は、非常に簡素な作りをしていて、見てからに強度もなさそうだった。そのため、複数のクルマが同時に通過するのを防ぐために、あえて狭く作られている。沿道の家々には電力をはじめ、上下水道や都市ガスなどの基本的なライフラインが普及しておらず、人々はまるで原始人のような生活を送っている。