ホテルの二重価格

「宿泊されるのはタイ人ですか?それとも外国人ですか?」

ロサンゼルスで同じシェアハウスに住んでいるタイ人に依頼してスクンビット通り沿いにある複数の旅行代理店に電話で問い合わせてみてもらったところ、毎回このような質問を受けた。

バンコクのホテルではタイ人向けより割高な外国人向けの価格、いわゆる二重価格が設定されていることがある。シェアハウスの同居人も不思議に思ったようで、その理由について旅行会社に聞いたところ、つぎのような説明があった。

「先日、 The Twin Tower Hotel のオーナーがこの店に来て、このポスターを直々に貼っていったんだ。オーナーはタイ人なら一泊990バーツ、外国人なら一泊1,500バーツで紹介してほしいと言っていた。そういった要望が顧客からある以上、わたしたちとしても外国人にタイ人向けのバウチャーを売るわけにはいかないんだよ」

そこでシェアハウスの同居人が自分の名前でホテルをとってくれた。

The Twin Tower Hotel は個人旅行者のあいだではあまり評判が良くないけれど、日本人向けのツアー旅行では一応高級ホテルという扱いになっている。ロビーにはヂャケーというタイ式の琴を演奏する女性従業員が常時2人配置されており、中央には巨大な絨毯が敷かれている。客室は清潔で勉強机もあり、ホテルの周辺に外国人旅行者が使えるような公共交通機関がないことを除けば、値段の割に高級感もあってなかなか使い勝手が良い。

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ケイイチ
バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。