午前2時以降のビール販売規制 (LA留学生日記より)

「おーい!!まだあと4分もあるじゃない!カリフォルニア州法を盾に取るなら、せめて太平洋標準時で判断しなさいよ!」

深夜、アルハンブラ市にある大手スーパー「ラルフス」でレジに並んでいたところ、レジで支払いをしていたヒスパニック系の女性客が店員に激しく抗議した。それに対して店員が「俺の時計もレジの時計もすでに2時を回っているから絶対に売れない」と反論していたので腕時計を見て確認してみたところ、たしかに時計の針はこの女性が言っているとおり午前1時56分を指していた。自分に与えられていた「お買い物」の任務はよく分からないまま失敗に終わった。

友人によると酒瓶を紙袋に入れたりペットボトルに移し替えるなどして販売を続けているコンビニもあるらしいけど、カリフォルニア州法では午前2時以降のアルコール類の販売が禁止されており、午前2時になるとアルコール類を提供しているクラブやバーなどの飲食店も閉店する。

手ぶらのまま北ストーンマン通りにあるシェアハウスまで戻ってきたときに近所に住んでいるタイ人の高級車がちょうど通りかかったので事情を話してみたところ、アパートまで行けばビールを分けてくれると言っていたのでお邪魔して午後5時まで飲み続けた。

きょうは語学学校で親しくしていた友人2人が帰国することになった。このままではロサンゼルスにおける交友関係が質量ともに一気に貧弱になる。夜、日本人クラスメイト3人とロサンゼルス空港まで見送りに行って、台湾式の挨拶をして別れた。もしタイ人系統の交友関係がなかったら、いよいよ目も当てられないような事態に直面していたに違いない。去年一年かけて学んだタイ語は、今回のロサンゼルス滞在中に発生したあらゆる局面において重要なセーフガードとして機能している。特技は身を助けるとはこのことか。

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ケイイチ
バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。