サンタモニカブルーバードと麻薬の売人 (LA留学生日記より)

アメリカにおける一般道の名称には複数の種類がある。日本語訳ではどれも同じ「○○通り」になるけれど、ストリート、アヴェニュー、フリーウェイ、ブルーバード、パーキングウェイなどさまざまな名前が付けられていて、それらの違いについて答えられる人がひとりもいないから不思議でならない。

深夜、語学学校で知り合ったばかりの日本人たちと高級住宅街ビバリーヒルズとパサデナのクラブまでドライブに出かけた。ビバリーヒルズは州間高速道路10号線をおりてからサンタモニカブルーバードを西へ直進して北方面へ曲がった場所にある。

途中のサンタモニカブルーバードにはクラブが集中している地域が何カ所かある。カリフォルニア州法ではクラブでの喫煙が禁止されているため、店の外に多くの人が群がっていた。そこから少し離れた人気のない交差点へ行くと、そこには何もしていない男がぽつぽつと立っていた。

アメリカでは路上に売春婦が立っていると聞いたことがあるけれど、まさかこんなむさ苦しい男たちが売春できるはずもない思って、友人に聞いてみた。

「アレは麻薬の売人だ。彼らの前にクルマを停めて『いいもの持ってる?』って聞けば、素早い動作で麻薬を売ってくれると思うよ。パトカーが来たら一斉に逃げ出すから観察してみると面白いかもね」

麻薬をドライブスルーよりも簡単に購入できるシステムに驚いた。「その辺の路地を入ると、こんな男たちが群れをなしているだろうね」と友人は話していた。

タイでも麻薬は深刻な社会問題になるほど蔓延しているけれど、さすがに誰かの紹介がないと売ってもらうのは難しい。ところが、ここでは道路に立っている人の前でクルマを一時停止させるだけで入手できる。これでは超ゴキゲンなときに偶然麻薬の売人に出くわしてノリで買ってしまう人もいるかもしれない。

そんなことを考えながら周囲を注意深く観察しながら運転していたところサンタモニカ海岸に着いた。どうやら北方向へ曲がるべき交差点を直進してしまったらしい。その後、第二の目的地であるクラブへ向かったところ、閉店時間直前のため入場がすでに締め切られていた。

今晩は麻薬の売人を探すだけの旅になってしまった。

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ABOUTこの記事をかいた人

バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。