アメリカに来られるタイ人 (LA留学生日記より)

アメリカに滞在しているタイ人は、アメリカに滞在している平均的な日本人よりはるかに裕福という印象がある。

日本人はアメリカのビザ免除プログラム (Visa Waiver Program) の恩恵を受けることができるため、どんなに貧しくても航空券さえあればアメリカの地を踏めるけれど、タイ人の場合はバンコクにある米国大使館領事部で各種ビザの申請する必要があり、その際に本人または両親の経済力を証明する必要がある。経済力が米国大使館の基準を満たしていない場合、ビザの申請は当然却下される。つまり日本人ならよほどのことがなければ誰でもアメリカへ来ることができるけど、アメリカに来ているタイ人には必ず一定水準以上の経済力がある。

タイ人は、日本では発展途上国の売春婦輸出国の国民として見下されることもあるけれど、ここアメリカではまったく違う。毎日のようにポーの外食に付き合っているけれど食費だけで1日に30ドルは使っており、実際に日々の行動をともにできる日本人はほとんどいないと思う。この習慣はどちらかの経済力が限界点に達するまで続きそうだ。

さて、アメリカに滞在している日本人は、彼らのことをどう見ているんだろう?

議題:タイ人男性が日本人女性と交際するのは容易なことか?

ポー(タイ国出身某4年制大学経営学部学生) 「とても簡単だ。実際に日本人女性と交際している友人は何人もいる。アメリカにいるタイ人は決して貧しくないから日本人女性とも十分に渡り合えるはずだ。愛情の深さが重要なのであって、出身国はたいして問題にならない」

僕「困難だ。アメリカに滞在している日本人はタイのそういった事情を知らない。それに日本人の価値観では『アメリカに来るというイケてる行為』と『タイ人と交際するというイケてない行為』は矛盾している。したがって愛情を築くスタートラインに立つことすらできないと思う」

もし正解があるのなら、それはどんなカンジだろうか。今回の短いアメリカ滞在では自信が持てる回答を導けそうにない。ただアメリカに来てから反日的と言われている韓国人の反日的な行為を見たことがないから、もしかしたら何らかの真実が存在しているけれどそれが当事者だけには知らされていないという可能性も考えられる。

タイ人シェアハウスで同室のポックが「同じ語学学校にいる日本人女性にコクろうと思う」言い出したので、こんな議論をしていたら午前5時になってしまった。どうやら明日は学校へ行けそうもない。

今晩は友人の誕生祝いでタイロックカフェに出かけた。

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ケイイチ
バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。