タイ人の上下関係 (LA留学生日記より)

「息子よ、そこのお皿を取ってくれるかい?」

所詮はタイ人の保護下にある身。いつ俺がオマエの息子になったんだ!!と聞き返したくなったけど、こんなことはきっとこれからいくらでもある「我慢しなくてはならないこと」のひとつにすぎない。

昼すぎ、ポーに誘われてバーベキューのホームパーティーへ行き、タイ人たち4人とタイ人老夫婦の家にお邪魔した。しかしその老夫婦は単なる居候のようで、本当の家主は片言のタイ語が話せるだけのごく普通のアメリカ人だった。タイ人の誰もが「○○の両親の家」と言っていたけれど、その老夫婦のメンツを潰さないようにタイ人達が気を遣っていたのかもしれない。

タイ人社会は日本人社会と同じく年齢の上下関係についてはアメリカより厳しいが、タイ人社会のそれはあまりにも凄まじい。

もしかしたらタイ語の「息子よ」という言葉には親しみの感情が含まれているのかもしれないけれど、やはり日本人としては抵抗感がある。そのくせ相手が外国人となるとちゃっかりシニアリティを無視してタメ語を使ってくるから困惑している。

そういえば語学学校のタイ人留学生アドバイザーからは自分のことを「兄貴(または先輩)」と呼ぶように指示されている。それほど歳は離れていない。いずれにしても一刻も早く自分の住む場所を探さないと、このままでは気が狂ってしまいそうだ。

きょうはタイ人や中年アメリカ人男性9人でバーベキューをしてから半強制的にサイクリングへ参加させられた。このアメリカ人は本当にサイクリングが好きなようで、アパートのリビングには自転車がなんと11台も置いてあった。アメリカ人は趣味に金を惜しまないのかもしれない。

アメリカにおけるタイ人社会が裕福かどうかについてはもう少し検討が必要だと思う。しかし日本にいるタイ人よりは間違いなく裕福そうだ。

サイクリングに3時間も付き合わされたため帰宅してからすぐにベッドへ直行した。あすから始まる語学学校の準備は何一つしていない。

ABOUT US

ケイイチ
バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。