教育省によるゲーム時間規制

政府にそこまで他人の行動を制約する権利があるのか?

ここのところタイの高校生や大学生のあいだで通信対戦 RPG ゲーム「ラグナロックオンライン」が大流行している。街中の至る所にあるインターネットカフェでは店先に「ラグナロック1時間20バーツ」という掲示が貼り出されている。いまやインターネットカフェの経営は通信対戦ゲームなしでは成り立たない。

ペッブリー18街路のアパート前にある食堂でエーンと鶏もも肉のステーキを食べていたところ、テーブルの隅に置かれている新聞に目が移った。

「一面スクープ!ラグナロックオンライン」

昨日付の大衆紙「タイラット」によると、無料キャンペーンが終了して有料(月々99バーツ)になった今でも約60万人のタイ人会員がいて、時間帯によっては20万人が同時にオンラインになるという。これに対して、教育省は学生たちがゲームにのめり込んで勉強が疎かになるのを危惧しており、通信対戦ゲームをしているすべての学生に対して教育省または出先機関へ定期的にプレイ時間を報告するよう義務づけるなどの方針を発表した。

先週末、バンコク大学経営学部の友人がこんなことを嘆いていた。

「このゲームはもう重大な社会問題になってるよ。俺もこのまえ他人のアカウントにアクセスしてゲーム内通貨や希少価値の高いアイテムを盗んでみたんだけど先週確認したところぜんぶ没収されてたよ」

ところが話はそんな単純なものじゃない。エーンはこの教育省の方針に対して猛然と抗議の声を上げた。

「これって公的機関による私的権利の侵害よ。私的な時間を誰がどう使おうと個人の勝手じゃない。教育省はいったい何をどう勘違いしてしまったのかしら!?」

エーンはラグナロックオンラインをプレイしていないけど、Yahoo カードゲームの通信対戦にハマっている。個人的にもこの教育省の方針には賛成できない。教育省は学生の自由を制限しようとしているけれど、ここまで事態が深刻化する前にあらかじめ対策をとっておく義務と責任があったはずだ。

ことの理非や善悪にかかわらず、この国の政府は自らが定めた規則をいろいろと国民に強制してくる。まさにアメージングタイランド。

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ABOUTこの記事をかいた人

バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。