エーンの偽装転居

エーンの居場所が両親にバレた。

エーンは2001年の年末に家出して両親との連絡を絶ち、生活の拠点をペッブリー18街路にあるアパート Venezia Residence 644号室の僕の部屋へ移した。そのあいだに出席日数不足でタンマサート大学を除籍になって、いまでは編入学したラームカムヘーング大学へ通っている。

およそ1週間前、エーンのケータイに発信者不明の着信があった。エーンの父親からの電話で居場所はすでに掴んでいるという内容だった。その晩にはエーンがアパートの1階にあるミニマートへ飲用水を買うために外出したところ、アパートの駐車場にクルマを駐めて待ち伏せていた父親の同僚に遭遇した。エーンの父親は公立の工業高等専門学校の教員で、その同僚の教員から非常に高圧的な態度で1時間もの説教を受けたという。どうやらラームカムヘーング大学の学期末試験の受験者名簿からエーンを探し出したらしい。

そして昨晩エーンのケータイにふたたび発信者不明の着信があった。エーンの父親からの電話で現在の生活状況を確認するために明朝10時にこの部屋までやって来るという内容だった。

どんなことがあってもエーンの父親と鉢合せになってはいけない。そこでエーンにはアパートの日貸し専用室へ引っ越してもらい、親友のヂョーイを呼んで女同士で共同生活をしているように装うことにした。

3日分の家賃1,650バーツ(1日あたり550バーツ)はエーンが自分で支払った。

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バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。