タイ人の視点から見る日本人向け高級病院

バンコクに住んでいる日本人が行く病院は、バンコク総合病院、バムルングラート病院、サミティウェート病院のいずれかと言われている。いずれも私立病院で24時間体制で日本語通訳が常駐している。医療費は平均的なタイ人が通っている病院に比べるとはるかに割高だけど、それでも日本の病院と同程度の医療を受けることができて保険会社のキャッシュレス診療もある(無保険者は自己負担100%)。日本の総合病院顔負けの豪華な施設と過剰な医療でバンコクの日本人社会からはそれなりの評価を得ている。

しかしタイ人からの評判は驚くほど悪い。

「手術をしたらおまけに盲腸まで切ってくれちゃった」

「風邪をひいて病院に行った患者が不必要な点滴を打たれて、それが原因で死んでしまった」

「診察料に広告宣伝費が転嫁されているから診察料が高いだけで診療の質はそれほどでもない」

タイ人の医師は一昔前の日本人医師のように「黙ってオレに任せとけ」というスタンスだから丁寧な説明はあまり期待してくれない。なにか大きな病気や怪我をしたときはセカンドオピニオンも参考にした方がよさそう。

自分は、一般的な医療はバムルングラート病院、手術が必要になったらバンコク総合病院と決めている。サミティウェート病院には行かないだろう。

先月、バンコク駐在の日本人会社員が細菌病のため亡くなられた。バムルングラート病院の医師がふつうの風邪と誤診したため適切な治療ができなかったという。

タイ人の友人たちはカネがあるなら複数の病院で診察を受けるべきと勧めている。

きょうは風邪のため授業を午前中だけ受けて早退した。

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ケイイチ
バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。