日本語を教えること

【問題】 次の語群から下線部に当てはまる語句を選びなさい。
1.このカバンは、少し     ございます。
a.お高う b.お高く c.お高い d.お高な

授業終了後、ヂュラーロンゴーン大学文学部の学生食堂できのうタイ語の小論文の書き方を教わったお礼に日本語学科の1年生たちに数日後に実施されるという財団法人国際教育支援協会主催の日本語検定3級の解法について教えた。

日本人であれば誰にでも解けるようなカンタンな問題ばかりだったけれど文法的に説明するとなると案外難しい。この問題は小学生のときに進学塾の講師が「ウ音便」の説明をしていたのを思い出してなんとか答えることができた。

ウ音便とは、連用形を表す語尾、条件を表す語尾、連体形を表す語尾などと接合するときに形容詞の語幹が脱落する現象のことで、現在では西日本方言にのみ残っているという。

こんな母国語で説明されても解らないような現象をどうやって非母国語を操る人々に説明すればいいのか。母国語を理解していないと思われるのはイヤだし、十分な教育を受けていないバカだと思われるのも受け入れがたい。しかもヂュラーロンゴーン大学の学生は他人を見下すのを得意としているから、まさに絶対絶命だ。

思い切って文法事項を一切無視して説明してみた。

―― 日本語の挨拶「おはようございます」は「お早い」と「ございます」の2語でできている。形容詞の「い」が「ございます」の前に来ると「う」に変わるでしょう? それと同じで「お高い+ございます」は「お高うございます」になるんだよ。

むかし日本語講師をして副収入を得ようと考えた時期もあったけど自分には少し難しそう。

答えは a です。念のため。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。