外国人に自国の文化を紹介する

ヂュラーロンゴーン大学文学部主催集中タイ語講座初級3では午前中に自由討論の時間が設けられている。これが相当な曲者で不愉快になることも少なくない。

きょうのテーマは「戦争」。しかし教養が著しく欠如している人と安全保障政策や第二次世界大戦について討論するのは本当に苦痛だ。母国語でも議論が成立するかどうか怪しいというのに、それを超あやふやなタイ語で切り抜けようとするから発言のヤバさに拍車がかかる。

「日本人は毎年終戦記念日に家族揃って広島の原爆資料館へ行きます」
「皇帝(天皇)がいなければ日本は国家として存続し得ないでしょう」

外国人学生たちが誤った日本人像を持ってしまったらいけないので、それらをひとつひとつ丁寧に訂正していく作業が必要となる。それに対しても敵意剥き出しにして反論されるから工夫が欠かせない。

「毎年終戦記念日に家族揃って広島の原爆資料館へ行くかどうかは人それぞれですが、日本人の大半がそうしているという話を私は聞いたことがありません」
「皇帝(天皇)がいなければ日本が国家として存続し得ないと考えているかどうかについて考え方に個人差はありますが、日本人の大半がそのように考えているという話を私は聞いたことがありません」

これまで学校での出来事、とくに同胞のクラスメイトたちに対する愚痴についてはエーンに言わないようにしてきたが、とうとう我慢の限界に達して洗いざらいぶちまけてしまった。

「ひとつだけ確信できたことがあるわ。それはあなたが彼らを心底見下しているってことよ」

チュラロンコーン大学文学部の集中タイ語講座は進度が早すぎるといわれているが、それ以前の問題として扱っている内容自体がそれなりに高度だから基本的な教養がないと授業についていけない。なかには「国立ヂュラーロンゴーン大学学部生たるエリート」を自称したり大学グッズで身を固めたりする受講生もいるが、それらはタイ国内法に抵触する違法行為なのでホントウになんとかしてほしい。

集中タイ語講座の先輩曰く、「今回は受講生の質が異常に低いだけなんじゃないか?どうせ先生達も教員詰め所で愚痴り合っているさ」。

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ABOUTこの記事をかいた人

バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。