新年のお祭り騒ぎ

タイには、正月が1年に3回もある。1月1日のグレゴリオ暦にもとづく世界共通の วันขึ้นปีใหม่สากล(ワンクンピーマイサーゴーン:国際正月)が終わると、2月には中国式の太陽太陰暦にもとづく新年があって、タイにおける人口の14%をしめる中国系のタイ人たちが ตรุษจีน(トゥルットヂーン:春節)を祝う。そして4月の中頃になるとヂャンタラカティと呼ばれる1888年まで使われていたタイ独自の太陽太陰暦にもとづく ตรุษไทย(トゥルットタイ:タイ旧正月)があり、タイの全域で สงกรานต์(ソングラーン)という名前で知られている水掛け祭りがおこなわれる。

昨夜は、ワールドトレードセンターやサナームギーラーヘングチャート(国立競技場)など、ペッブリー18街路にある住まい Venezia Residence の周辺で新年のカウントダウンイベントがおこなわれるため、プルーンヂット通りやラーチャダムリ通りといったバンコク中心部を走る主要な幹線道路はどこもかしこも通行止めになっており、渋滞のため、バンコク西部のサムットサーコーン県にちかいエーガチャイ119街路にあるアップルの家からタクシーに乗って自室まで戻ってきたときには、すでに午後11時50分を回っていた。

いまさらイベント会場へ駆けつけたところで新年のカウントダウンには間に合わないため、自室のベランダで新年を祝う準備に取りかかった。

午前零時、一斉に打ち上げられたたくさんの花火がバンコクの夜空を覆いつくした。花火が見られるという確信は持っていなかったが、クリスマスのときにも上がっていたから、タイではイベントのたびに花火があがるものと勝手に期待していた。自室のベランダからこれだけたくさんの花火が同時に拝めるとは、なかなか恵まれているじゃないか。

きょう1月1日の日中は、おとといからきのうにかけてエーンとアップルとのあいだで発生した混乱のせいで疲労のピークにあったため、外出せずに自室でずっとグッタリとしていた。夜になって同じアパートに住んでいる日本人留学生のふたりといつものコースを飲み歩いたが、あすからはじまるタイ語講座に備えるため、午前1時には帰宅した。

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ケイイチ
バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。